研究課題/領域番号 |
20K04754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多孔板 / スリット板 / フッ素 / ヒ素 / 電解法 / 分子拡散プレート / 電解 / 水処理 |
研究開始時の研究の概要 |
発展途上国では井戸水に含まれるフッ素やヒ素によって健康被害が生じている。国内の温泉では、排水中のフッ素が基準を超過しているものがあり問題となっている。しかしながら、従来のフッ素やヒ素の除去装置は、コストがかかり、発展途上国や温泉旅館業では導入が困難であった。本研究では、電解法を用い、井戸水や温泉排水からフッ素やヒ素を水酸化マグネシウムの沈殿と共沈除去する手法を開発する。特に電解隔膜に多孔板を用いることが特徴である。多孔板はプラスチックの板に直径1~2 mm程度の孔を多数開けたものであるため安価であり、溶液を孔を通過させながら電解が可能であることから装置の簡略化も見込まれる。
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研究成果の概要 |
飲料水や廃水からのフッ素やヒ素の除去法として電解法を用いた。電解法は、隔膜で陽極と陰極とに隔てられた電解槽で溶液を電解することにより陰極でpHを上昇させ、それに伴って沈殿するマグネシウムやカルシウムとフッ素やヒ素とを共沈除去する方法である。本研究の特徴として、電解隔膜に多孔板(プラスチック板に多数の孔を開けたもの)を用いた点である。この手法により、スリランカの合成井戸水や下呂温泉源泉からフッ素を除去できた。また、バングラディシュの合成井戸水からはヒ素を除去することができた。最終的には孔の代わりにスリットを開けることでより効果的にフッ素やヒ素を除去できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
隔膜に多孔板やスリット板を用いた電解法により、飲料水や廃水からフッ素やヒ素の除去に成功した。陰極で生成する水酸化マグネシウムとの共沈により、フッ素やヒ素を除去するため、原水にマグネシウムがもともと含まれている場合には、外部から試薬を添加する必要が無い。また、隔膜にセラミックなどの多孔質板では無く、プラスチックを用いた多孔板やスリット板を用いることで安価な装置が実現できた。また、セラミックなどの多孔質の材料とは異なり、孔やスリット幅が大きいため、隔膜の閉塞を防ぐことができた。これらのことから、発展途上国での利用や温泉旅館での利用が期待できる。
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