研究課題/領域番号 |
20K04822
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
石松 維世 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (40289591)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | エンドトキシン濃度 / 浮遊細菌数濃度 / PM2.5 / 総粉じん / 衝突型PM2.5サンプラー / PM2.5用直進型サイクロン / 浮遊細菌濃度 / SPM10 |
研究開始時の研究の概要 |
浮遊細菌の健康リスクでは細菌濃度と細菌種が重要だが、細菌叢解析でも病原性細菌検出数は多くない。一方、グラム陰性細菌の細胞壁成分であるエンドトキシン(ET)は、病原性の有無には関与しないが発熱物質である。本研究ではETをグラム陰性細菌の総合的指標と捉え、ET濃度と細菌濃度を組み合わせ、室内空気質のリスク把握を試みる。 粒径別の細菌とETの濃度測定のため、まず捕集条件を見直し、より短時間の捕集でデータが得られるプロトコルにする。改定プロトコルで得たデータから、細菌濃度とET濃度との関連性を調べるとともに、粒径別データから曝露量を推算し在室者の健康リスクを把握することを目指す。
|
研究成果の概要 |
グラム陰性細菌の曝露リスクを検討するため、2つの室内と屋外で総粉じん中とPM2.5中の細菌数濃度とエンドトキシン(ET)濃度を経時的に測定し、次の成果を得た。室内のグラム陰性細菌の主要な発生源は屋外であり、黄砂飛来時でも室内ET濃度はDECOSのTLV-TWAを十分下回り、曝露による健康リスクは低かった。屋外の細菌数濃度とET濃度には、粒子サイズに関わらず正の相関性があり、ETを有するグラム陰性細菌の割合はほぼ一定と考えられた。室内では両者の相関性は低くなったが、ET濃度がグラム陰性細菌の変動を示すと考えると、グラム陰性細菌の曝露指標として活用できると考える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、グラム陰性細菌が持つエンドトキシン(ET)をもとにして、細菌種に関係なくグラム陰性細菌集団としての健康リスク評価指標の可能性を探ったものである。屋外では浮遊細菌数濃度とET濃度に正の相関性が認められたことから、ETは浮遊細菌曝露の健康リスク指標になりうると考えられた。室内では両者の相関性は低くなったが、ET濃度はグラム陰性細菌以外には関係しないため、ET濃度はグラム陰性細菌への曝露リスク指標となると考える。
|