研究課題/領域番号 |
20K04841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
市川 尚紀 近畿大学, 工学部, 教授 (50441085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 堅田集落 / 熊川宿 / 津和野 / 水郷集落 / 水路網 / 水利施設 / 水文化 / 琵琶湖 / 郡上八幡 / 自噴井 / 水利用 / 水辺 / 景観 / まちづくり / 制度 / 計画論 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの「景観」や「まちづくり」に関する研究と「水辺」に関する研究は、それぞれの関連する法制度や管轄行政も異なり、実際のまちづくり活動においても別々に進められてきたが、本研究は、双方の視点から水辺の景観まちづくり事例を考察するものである。具体的には、我が国における「都市の水辺の景観まちづくり」の事例を収集し、その歴史的背景や制度的背景を把握しながら、各地の「水辺の景観まちづくり」の特徴を整理し、各事例が抱える問題点を解決するための新たな計画論的視座を獲得する。
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研究実績の概要 |
まず2020年度からの一連の研究成果を執筆した『水辺の公私計画論-地域の生活を彩る・公と私の場づくり-』(技報堂出版)を出版し、その内容について7月に東京でシンポジウムも開催した。さらに、2022年度に調査した津和野集落の研究成果を建築学会大会学術講演梗概集と建築学会中国支部研究発表会で発表した。 新規調査対象とした山口県美祢市堅田集落はジオパークに認定されたエリアに存在し、ジオサイトの一つである別府弁天池という湧水池がある。ここから湧き出た水は水路を通して集落へ行きわたり、昔から飲料水や生活用水、灌漑用水として人々の生活を支えてきた。現在も、昔の水利慣行が一部継承されており、戦国時代にも行われていた矢束(ヤタ)が取り上げられたこともある。さらに、水利施設“洗い場”も残っており、野菜を洗う、手を洗う等主な利用目的は変わっていなかった。一方、洗車や鯉の飼育、雑巾を洗う等の新たな使い方もみられた。このような洗い場は現在53ヶ所存在し、堅田地区の住民は綺麗な水を下流まで届けるという意識を持ったまま水利施設を利用し続けていた。この成果は、建築学会中国支部研究発表会で発表した。 新規調査対象とした福井県熊川宿は、江戸時代初期より繁栄した宿場町であり、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。前川と呼ばれる用水路が流れ、様々な型式の異なる建物が町並みを形成する地域である。この熊川宿の水路網の全容や水文環境、まちづくりの経緯、水利施設の現状を調査した。その結果、かわとは57ヶ所確認でき、野菜を洗うことや融雪での利用は現在でも行われていることがわかった。まちづくりの経緯は、福井大学による町並み保存対策調査から始まり、「てっせん踊り」「いっぷく時代村」などの祭事運営、自主防災デーの開催・近隣火災通報システム設置等の防災活動が行われていた。この成果は、建築学会中国支部研究発表会で発表した。
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