研究課題/領域番号 |
20K04910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
中島 智章 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (80348862)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヴェルサイユ / 古典主義建築 / フランス建築 / 様式建築 / 歴史主義建築 / フランス / ルイ14世 / ブルボン王朝 / 築城 / インフラ / インテリア |
研究開始時の研究の概要 |
ヴェルサイユ城館の研究にあたって、王権への言及は必須であり、建築活動が、それを推進しようとする何らかの意志の表れという社会の営みの一つであり、建築家など建築関係者の意図の及ばぬところで展開する場合もあったという視点は無視できない。建築の理論や実用的側面だけではこの城館の姿を捉えきれず、王権とそれに関わる象徴的側面も重要だ。本研究では、近世近代フランス社会の政治・社会・文化が、ヴェルサイユ城館などのフランス近世近代建築のデザイン、設計手法をいかに画したのか、それらが以降の世界の建築にいかなる影響を及ぼしたのかを、建築の実用性(建築計画等)と象徴性(図像学、記憶、表象等)の観点から明らかにする。
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研究成果の概要 |
ヴェルサイユ城館はわが国でも絶対王政の象徴として、また、その豪勢な佇まいによって、一般にも広く知られた大建築だ。建築の理論や実用的側面だけではこの城館の姿を捉えきれず、王権とそれに関わる象徴的側面も重要だ。本研究では、近世近代フランス社会の政治・社会・文化が、ヴェルサイユ城館などのフランス近世近代建築のデザイン、設計手法をいかに画したのか、それらが以降の世界の建築にいかなる影響を及ぼしたのかを、建築の実用性(建築計画等)と象徴性(図像学、記憶、表象等)の観点から明らかにした。世界の建築への影響という点では、近代米国や日本統治期台湾の建築へも視野を広げることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界は「グローバル」「単独の球体」として一つになろうとする潮流が強まり、新たな「グローバル・ヒストリー」構築の動きも顕著だ。だが、「アジアの時代」、「環太平洋の時代」といわれつつも、ヨーロッパ的価値観が上記の潮流の底に流れ、それに基づく全世界の伝統的「配役」がむしろ強化されているように思われる。これはヨーロッパ近世の「世界システム」に由来し、英仏中心の帝国主義的な世界観へと繋がるが、文化的には絶対王政下のフランスの影響が色濃い。本研究ではこれまでの研究課題の視点に加えて、対象を近世近代のヨーロッパ等へと拡大し、最終的にはグローバル化する現代社会の正体と底流を突き止める一助となるだろう。
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