研究課題/領域番号 |
20K04933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
溝口 誠 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (10532781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気流乱れ強さ / 風洞試験手法 / 環境じょう乱生成 / 空気力測定 / 半裁実験 / 動的乱流格子 / 強乱流場生成 / 空力測定 / 強乱場生成 / 風洞試験法 / 低レイノルズ数 / 空力特性 |
研究開始時の研究の概要 |
小型無人航空機の安全な運用のためには,気流の乱れが機体特性に及ぼす影響を知る必要がある.地表近くでは建物が少なく開けた地勢でも強い乱れが報告されており,その影響の検討は欠かせない. そこで本研究では,小型無人機飛行環境に対応するような強乱流場の生成手法を開発し,強い乱れが小型無人航空機の翼特性に及ぼす影響を明らかにする.具体的には既存の乱流生成装置による風洞実験に模型直動装置を組み込み,模型と気流の相対速度を調整することで様々な強さの乱流場を実現する.また,開発した実験環境において,気流の乱れが翼空力特性に及ぼす影響を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究では乱流生成装置の一種である動的乱流格子を用いた風洞実験に模型直動装置を組み込むことで,模型と気流の相対速度を調整可能とし,様々な強さの乱流場を実現する実験手法の開発に取り組んでいる.2020年度に行った研究では,直動装置を利用した実験手法が乱れ強さの調整に有効であることを確認した.また,2021年度には,並進する実験模型に働く空気力の測定を実現するために,力センサの導入と測定用風路の延長を行った.そのうえで風洞実験を行って,並進する模型に働く空気力測定の実現可能性を調べ,揚力測定が妥当に行えること,乱れ強さに伴う揚力係数の変化が観察可能なこと,ならびに,動的乱流格子単体よりも大きな乱れ強さが実現できることを明らかにした.一方で,2021年度の研究では抗力測定とその評価まで至らなかった.また,実験システムとしての妥当性は示せたものの,測定される空気力は実験模型に働くものだけでなく,模型と並進機構を接続する支持部の影響が多く含まれているものであった. 2022年度には,まず,これまで得られた動的乱流格子ならびに並進機構を用いた実験手法に関する研究成果をまとめて二編の論文を投稿した.また,精度のよい抗力測定を実現するため,力センサの更新と並進機構の改善を行った.そのうえで改めて風洞実験を行って,本研究で提案した手法によって揚抗力と乱れ強さの関係が広い範囲で評価できることを実証した.また,模型と並進機構の間に翼端板を設置できるように並進機構の改造を行い,模型単体の空気力評価を実現する準備を行った.現在は,2022年度に得られた成果をまとめつつ,翼端板を設置した状態での風洞実験を行い,その成果を整理し,研究成果としてまとめる準備をしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響による実験遅延のために遅れていた論文投稿による成果報告は昨年度中に実施し,2023年度に公開される予定である.また,その他の実験結果の蓄積も達成し,得られた成果をまとめる段階に至ったことから,本研究は現在,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終段階として,翼端板を用いた半裁実験の実現による三次元翼空力特性の取得と評価について,実験を現在実施中である.また,得られた結果の解析評価についても実施しており,得られた成果は今年度の学会発表や学術雑誌等で報告するために取りまとめる予定である.
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