研究課題/領域番号 |
20K04955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
松沢 孝俊 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (00443242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 海氷の機械的性質 / 超音波探傷法 / 海氷構造 / 氷の機械的性質 / 超音波応答 / 曲げ強度 / 超音波探傷 / 海氷の実験的再現 / 非破壊検査法 / 模型氷 |
研究開始時の研究の概要 |
海氷の機械的性質に関するデータの蓄積を阻む要因は、計測に関する作業性・作業効率の低さにある。例えば、曲げ強度を計測する場合には氷の試験片を切り出す必要があるが、切り出すことによる影響が避けられず、データの不確実性を排除するのは困難である。 そこで、非破壊検査の手法を用い、海氷の機械的性質を説明するパラメータを取得する。実験的に様々な氷サンプルを作製して、音波に対する応答を計測し、パラメータによる違いを分析する。将来実氷に対して適用することを想定し、実運にも適した運用手法を確立する。繰り返し精度やプローブの設置方法について系統的に調査し、 計測結果の不確実性や誤差要因について明らかにする。
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研究成果の概要 |
海氷の材料的特性としての超音波に対する応答を調査した。サンプル用に、純氷のほか添加物により海氷を模擬した模型氷を実験室で製氷する手法を確立した。塩分による変化の評価として曲げ試験を行い、一定範囲で曲げ強度の制御が可能とわかった。並行して、道東で実氷を採取し、現場で曲げ強度データを取得した。実験室で製氷したサンプルにつき、まず音速を測定し、純氷より模型氷が低速になることがわかった。また音圧強度の時系列変化を比較したところ、純氷と異なり模型氷では複雑な反射の影響を含むことがわかった。これらは模型氷が海氷同様にブラインを含むためと考えられ、今後はその定量的な関係性を詳しく追求したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
氷の超音波応答を見る先行研究はほとんどなく、特に海氷では計測も困難であってデータがない。そこで、海氷の代わりに海氷構造を模擬した模型氷を用いるという点は例がなく、そのデータを取得したことは意義が大きい。製氷を伴う実験では、製氷方法及び環境が氷質に大きく影響する。実験のために氷質を制御可能な環境を構築したことは、今後の類似研究にも応用でき有用である。得られた氷質と音圧データを照らし合わせると、実氷について最低限の計測をすれば非破壊で強度を推定することが可能となる。実氷データは今まで計測が困難で蓄積が極端に少ないが、非破壊手法が実現すればデータ拡充と計測の安全性に寄与するところ大である。
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