研究課題/領域番号 |
20K04977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 工学院大学 (2021-2022) 神奈川工科大学 (2020) |
研究代表者 |
八木 勲 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (10457145)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 人工市場 / 金融市場 / 市場流動性 / メイカー・テイカー制 / マルチエージェントシステム / エージェントシミュレーション / 社会シミュレーション / 流動性指標 |
研究開始時の研究の概要 |
金融危機と金融市場の流動性枯渇は互いに影響を及ぼしあう関係にある。既存研究においてこれまでに流動性を計測する指標が数多く提案されてきたが、それらの整合性は議論されてこなかった。さらに次々と開発される金融商品や市場規制、制度等が流動性に与える根源的な影響も確認できていない。そこで本研究では、まず、流動性指標が計測可能な金融市場シミュレーションシステムを開発し、数ある流動性指標の関連性を明らかにする。次に、流動性リスク評価環境を整え、各種市場規制や制度、金融商品取引が流動性に与える影響とその大きさを確認する。最後に、今後の検証作業に備え、ユーザビリティも考慮した統合流動性リスク評価環境を構築する。
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研究成果の概要 |
本課題では,金融市場での取引のしやすさを表す流動性にリスクをもたらす要因にはどのようなものがあるかを,計算機上に仮想的に構築した金融市場(人工市場)を基にした評価環境を構築し調査を試みた.その結果,流動性を計測するための代表的な4指標の関係性について明らかにするとともに,新らたに流動性指標になりうる要素を見つけることができた.また,メイカー・テイカー制という金融市場制度が本質的に市場流動性を向上させる傾向があることを明らかにした.さらに本制度を導入すると,未導入の市場に対する取引シェアを向上させることができることも判明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
市場流動性が高い市場では投資家は意図した価格・数量の売買がしやすいが,従来の実証研究における流動性調査は分析のもととなるデータや分析手法の違いにより,結果は必ずしも同じ主張とはならなかった.本研究では,人工市場シミュレーションを用いて,あらゆる外的要因が排除された調査環境下において,調査対象となる事象が市場流動性に本質的に与える影響を解明することに成功した.今回はメイカー・テイカー制という市場制度が流動性向上に貢献することを明らかにすることができた.さらに,本市場制度を導入することで未導入の市場より取引シェアを伸ばせる可能性も見出すことができた.
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