研究課題/領域番号 |
20K04981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 県立広島大学 (2022) 群馬大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松井 猛 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (50512505)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マルチエージェントシステム / 社会シミュレーション / ファイナンスモデル / 金融市場 / 不完全情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,エージェントベースシミュレーション技法の一種であるマルチエージェントシステムで要求される並列処理として,シミュレーションの進行に応じて各計算機の負荷が変化していく状況での動的な負荷分散方式による高速化システムを開発するともに方法論に関する研究をさらに発展させる.さらに,経済・産業界の現実問題の中から,サプライチェーン,ファイナンスにおける意思決定モデルを取り上げ,開発した方法論の応用を試みることによって関連学術分野や現実社会への貢献が期待できる.
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研究実績の概要 |
本研究課題ではエージェントを用いる社会シミュレーションの環境を構築し,社会・組織・個人をエージェントとして捉え,それらの相互共創・競合・協調を通して,ボトムアップにシステムを構成する過程と構造の性質とを精査することを目的とし,今年度は経済・産業界の現実問題の中から,サプライチェーン,ファイナンスにおける意思決定モデルを取り上げ,開発した方法論の応用を試みることを計画していた. ファイナンスモデルの中でも,ポートフォリオ選択問題は確率的多目的最適化モデルとして定式化されており,多くの関連文献が出版されている.最も基礎的な期待収益最大化とリスクを表す分散最小化の確率的2目的最適化(平均・分散分析モデル)に対して,荷重和スカラー化手法を用いてシミュレーションを行う予定であったがモデル化のみとなり,下位レベル問題として,投資家(エージェント)の選好を表すパラメータが与えられたときの2次計画問題を定式化し,上位レベル問題では,投資家の選好を表すパラメータを決定する問題の定式化を行った.この定式化を基礎として,Value-at-Riskの概念と関連する目的関数の値がある一定値以下になる確率を最大にするという考えに基づく確率モデルや,満たすべき確率レベルを指定したうえで目標値を最大あるいは最小化する満足基準モデルによる定式化の考察も行った. 今後の研究の課題としては,投資家の選好を評価する上位レベル問題と与えられた選好パラメータの下での収益・リスクを最適化する下位レベル問題からなるいくつかの確率的2目的最適化問題に関する方法論を開発し,現実のデータを用いて手法の有効性を評価することによって,有用な戦略的アセットアロケーション手法を提供することなどが挙げられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポートフォリオ選択問題に対して,Value-at-Riskの概念と関連する目的関数の値がある一定値以下になる確率を最大にするという考えに基づく確率モデルや,満たすべき確率レベルを指定したうえで目標値を最大あるいは最小化する満足基準モデルによる定式化の考察も行った. しかしながら,移動制限処置に伴い,各種学会への参加,情報収集などを行うための調査や連携研究者との打ち合わせがオンラインとなり,十分に行うことが難しい状況であった. また,当初予定していた大規模データを実用的な計算時間内で処理可能となるシステムの開発・実装が遅れているため,計画よりやや遅れていると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
経済・産業界の現実問題に対し,マルチエージェントシステムとしてモデル化するとともに,開発した方法論の応用を試みるとともに,実用的な不完全情報下での社会シミュレーションモデル構築を目指して,システムの開発・実装を行う予定である. また,得られた研究成果について国際会議での発表や学術雑誌への投稿を行う.
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