研究課題/領域番号 |
20K04982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
郭 昌俊 (郭沛俊) 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (60325313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 焦点決定理論 / 2レベル計画問題 / 新聞売り子問題 / 動的焦点計画法 / 多段階意思決定 / 確率的計画法 / 確率計画問題 / 多段階意思決定問題 / 最適化問題 |
研究開始時の研究の概要 |
焦点決定理論は申請者が、2019年に世界で初めて提案した。この理論は、決定プロセス合理性を公理化し、意思決定分野で世界的に知られたサンクトペテルブルクのパラドックス、Allaisのパラドックス、Ellsbergのパラドックスなどの難問の解決に成功した。 本研究では、焦点決定理論を多段階意思決定問題と確率計画問題へ適応できるように更に理論的に拡張させ、拡張した理論を用いて経営意思決定問題に適用することを目指す。 本研究課題は、拡張した焦点決定理論の理論的かつ実践的な真の価値を確認するものであり、不確実性を含む複雑な経営、経済および社会問題を分析するための斬新な道筋を示すことができる。
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研究実績の概要 |
新聞売り子問題は、典型的な一回限りの決定問題であり、次の三つの特徴を有する。(1) 製品の需要が不確実である (2)調達リードタイムが販売シーズンより 長い (3)過剰在庫も不足在庫も両方とも経済的損失をもたらす。既存の新聞売り子モデルは主に期待効用理論をベースにしたもので、意思決定の一回性を反映したものにはなり得なかった。 本研究では、焦点決定理論(The focus theory of choice)に基づき、新たな分析手法を提案した。これによって、従来法に用いられた期待値の代わりに顕著な情報に基づいた新しい意思決定フレームワークが構成され、最適な注文量は各注文量の焦点需要(最も注目された需要)によって決めることができた。この新しいモデルは、下位レベル最適化問題と下位レベル最適化問題からなる2レベル最適化問題である。下位レベル最適化問題では各需要の発生する確率と、その需要が実現したときに得られる発注量ごとの利得に対する満足度に基づき、小売業者の焦点需要に対する選好によって、すべての可能な需要の中から特定の需要が一つ選ばれる。選ばれた需要をこの発注量の焦点需要とする。上位レベル最適化問題では、各発注量の焦点需要によって、最適発注量が求められている。新しく提案したモデルには、スムーズでないマキシミンの上位レベル最適化問題と下位レベル最適化問題が含まれるので、既存の最適化アプローチでは最適解を求めることができない。本研究は、新しい最適化手法を開発し、最適な注文量を導出し、最適解の特性を分析した。提案したモデルは、新聞売り子問題を分析するための新しいフレームワークとして提供することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究成果を踏まえて、焦点決定理論に基づき、新聞売り子問題を再定式化し、新しい最適化手法を開発した。提案されたモデルは、新聞売り子問題を分析するための新しいフレームワークを提供することができた。
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今後の研究の推進方策 |
提案した新聞売り子モデルを一般化し、焦点決定理論のポジティブとネガティブの評価システムにおける2レベル最適化問題の分析手法を開発し、不動産開発問題などに適用する。
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