研究課題/領域番号 |
20K05022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
津田 和城 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (40359435)
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研究分担者 |
細山 亮 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (10530074)
堀口 翔伍 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (20736300)
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30435771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 振動試験 / 輸送振動 / 特徴量 / GPS / AI / 予測 / PSD / 実効値 / 輸送環境調査 / 自動化 / 高精度化 / 特徴量抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
電子商取引の普及により国内外の貨物数は増加し、輸送環境の多様化も進んでいる。一方で輸送事故防止と過剰包装削減の両立には、輸送環境を反映した高精度な振動試験が不可欠である。しかし輸送環境の多様化は輸送振動の特徴量を変え、試験精度を低下させる。そこで本研究ではGPSとAIを用いた輸送振動の特徴量の自動抽出法を開発する。得られた特徴量から試験条件を導出することにより、高精度な試験を実施可能にし、上記の両立に貢献する。
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研究実績の概要 |
輸送環境を反映した高精度な振動試験を実現するため、輸送条件ごとに変化する荷台振動の特徴量を把握することが重要になる。そのため、計測道路の特徴量を正確に算出する「周波数を考慮した特徴量の算出手法」、および、未計測道路の特徴量を予測する「既存データを用いた特徴量の推定手法」の考案を目標としている。3年目である令和4年度では、疲労に及ぼす周波数の影響を把握するため、疲労計算の基になる「ピークに及ぼす周波数の影響調査」に取り組んだ。さらに、経路全体の加速度実効値の推移を把握するため、「既存データを用いた加速度実効値の推定」を行った。 「ピークに及ぼす周波数の影響調査」では、ピークに及ぼす周波数の影響を調査するため、ピークがどのような周波数で形成されているのかを検討した。その結果、ピークの形成には高周波の寄与が低周波よりも大きく、ピークの大小には低周波の寄与が関係していることを明らかにした。これらの知見は、疲労と周波数の関係を理解する上で役立ち、周波数を考慮した疲労等価なPSDの算出に活用できると考えられる。 「既存データを用いた加速度実効値の推定」では、令和3年度に経路全体の加速度実効値の推移と短時間の連続計測で得られるPSDの形状と組み合わせることにより、荷台振動のPSDを予測できることを示した。令和4年度では、簡易加速度記録計の最大加速度および走行速度を用いて、荷台振動の加速度実効値を予測する手法について検討した。さらに、異なる車両で計測した加速度を用いて、荷台振動の加速度実効値を推定する手法についても検討した。その結果、計測済みの既存データを用いて経路全体の加速度実効値の推移を推定できることを明らかにした。このようにこれらの手法は、荷台振動のPSDの予測に活用できると考えられる。 最後に、輸送環境調査の追加実験として、鉄道車両を対象に「鉄道コンテナの荷台振動調査」も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画とは一部異なるものの、輸送振動の特徴量であるPSDや加速度実効値を正確かつ簡単に把握するため、主に「ピークに及ぼす周波数の影響調査」、「既存データを用いた加速度実効値の推定」、「鉄道コンテナの荷台振動調査」の3つに取り組んだ。 しかしながら、輸送環境調査に関する追加実験に想定以上の時間を要したため、「ピークに及ぼす周波数の影響調査」、「既存データを用いた加速度実効値の推定」に十分な時間を割くことができなかった。そこで、期間延長を申請し、検討が不十分な箇所について改めて取り組む予定である。以上の理由から、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
周波数を考慮した疲労等価なPSDを算出するため、周波数除去による疲労の変化量に注目し、周波数と疲労の変化量の関係を明らかにする。また、既存データを用いて高精度に加速度実効値を推定するため、完全な予測ではなく、計測済みの既存データを活用し、推定精度を向上させる。 さらに、これまでに得られた成果を学協会での発表や論文に投稿し、議論や意見交換を通して問題点の抽出や解決策の検討を図る。
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