研究課題/領域番号 |
20K05029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
水野 秀明 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80356104)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 流砂 / 暗渠 / 数値計算 / 2次元浅水流方程式 / 有限体積法 / 水路実験 / 管水路 / 開水路 / 土砂洪水氾濫 / 避難 / 土砂災害 / 暗渠閉塞 / 数値解析 / 再現計算 / 堆砂 / 3次元数値解析 / 浅水流方程式 / 避難経路 / 山間地 / 土砂流出 |
研究開始時の研究の概要 |
山間地の谷間で発達した住宅地では、小さな渓流を道路下の暗渠内に流し込むことで、その上を道路の空間として活用することが多い。しかし、豪雨が生じると、流砂が暗渠内へと流れ込んで閉塞させる。そうなると、土砂と水が道路上を流れ出すため、住民は安全に避難できない。そのような状況を回避するために、閉塞する可能性のある暗渠を予め抽出し、避難経路から外したり、閉塞の生じない暗渠に改良したりする等の対策が求められる。 そこで、本研究では、流砂による暗渠の閉塞過程を解明するとともに、閉塞の生じる暗渠を抽出する手法を開発し、その結果に基づいて避難に適さない道路区間の抽出方法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、流砂による暗渠の閉塞メカニズムを水路実験と数値計算に基づいて明らかにした。水路実験の結果より、暗渠が屈曲したり湾曲したりする場合、流砂が暗渠内で減速し、停止し、暗渠を閉塞することが分かった。3次元数値計算を行なって、暗渠内の流れを解析したところ、屈曲したり湾曲したりするなど、暗渠の形状が変化する地点の上流側において、流れの速度が急激に減少するとともに、流れの圧力が急激に上昇することが分かった。これにより流砂は進行方向とは逆向きに抗力と圧力を受け、減速し、停止すると推定できた。従って、暗渠のある住宅地内で安全な避難経路は、洪水時に暗渠が満管となる可能性の高い区間を外した方が良い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土石流や洪水等の水と土砂の流れを予測する数値計算手法はハザードマップを作成する基本技術で、渓流や河川などの開水路を対象として開発されてきた。この場合、流れの表面に作用する圧力は大気圧と等しく、一般的にゼロとして取り扱う。しかしながら、近年、道路が都市部だけでなく、山間部にも整備され、渓流を暗渠等で跨ぐようになった。そのような道路も含めて安全な避難路を選ぶためには、数値計算手法は開水路だけでなく暗渠も適用できなければならない。つまり、流れの表面に作用する圧力がゼロより大きい場合にも計算できるようにする必要が生じた。本研究はそのような状況も対応できる計算手法を提案し、その再現性を明らかにした。
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