研究課題/領域番号 |
20K05051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大場 武 東海大学, 理学部, 教授 (60203915)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 水蒸気噴火 / 火山ガス / 噴気 / CO2 / H2S / 箱根山 / 草津白根山 / 化学組成 / 自動観測 / 連続観測 |
研究開始時の研究の概要 |
水蒸気噴火を起こす火山では熱水溜りの一部が火山ガス(噴気)として地表に放出している場合が多い。噴気は熱水溜りの情報を地表に運ぶ唯一の物証である。この噴気の化学組成を測定し,マグマ起源成分の増減を検知することができれば,水蒸気噴火予測の道が切り開かれる。本研究では,噴気の成分比(CO2/H2S比)を自動観測する装置を開発・作成し,CO2/H2S比の時間変化と火山性地震の因果関係を解明する。さらに,CO2/H2S比の時間変化に基づき,これまで発生予測が困難とされてきた水蒸気噴火のポテンシャル診断を試みる。
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研究成果の概要 |
活火山の地熱地帯で放出される噴気の化学組成を自動的に測定する装置の開発を行った。装置は箱根山大涌谷地熱地帯の斜面に設置された。装置で計測されたCO2濃度とH2S濃度の相関からCO2/H2S比を推定することに成功した。装置の開発と並行し、箱根山と草津白根山で、噴気を直接採取・分析する観測を繰り返し火山性地震発生頻度との相関を調べた。箱根山の噴気では2021年8月にHe/CH4比の上昇を検知し、火山活動活発化の兆しを捉えることに成功した。草津白根山の噴気では2020年頃からHe/CO2比の低下傾向が得られた。これは2020年から始まった火山活動の鎮静化と調和している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
御嶽山では2014年に水蒸気噴火が突如発生し、登山客60名余りが犠牲になった。2018年の本白根山における水蒸気噴火では1名が犠牲になった。水蒸気噴火は、一般的に前兆としての火山性地震の発生頻度と地震の規模が小さいために、噴火の予測が困難である。日本の国土には100以上の活火山が分布し、活火山は観光地になっている場合が多い。そのため、水蒸気噴火の予測は防災の観点から重要視されている。本研究では、従来の火山性地震観測に加えて化学的な火山ガス観測を行うことで、水蒸気噴火を予測し、安心安全の社会作りに貢献することを最終的な目標としている。
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