研究課題/領域番号 |
20K05075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒川 康良 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00588527)
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研究分担者 |
加藤 慎也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10775844)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シリコン / 量子ドット / プラズマ / 太陽電池 / ベイズ最適化 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,次世代の太陽電池材料として注目されるシリコン量子ドット積層膜を高品質化するアプローチとして,水素プラズマ処理を採用する.シリコン量子ドット積層膜を水素プラズマに曝露することで,水素が膜中にどのように入っていき,拡散し,シリコン原子と結合を形成するか多角的な評価手法により解明する.これにより,水素が効率的にシリコン量子ドット積層膜中の欠陥を終端する条件を見出す.最終的にはシミュレーションにて太陽電池の高変換効率が得られている1e16cm-3台の欠陥密度を目指す.
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研究成果の概要 |
シリコン量子ドット(Si-QD)太陽電池の効率向上のため、水素プラズマ処理(HPT)による欠陥低減を試みた。HPTは6個のプロセスパラメータを有するため、ベイズ最適化(BO)を用いて効率的な最適化を試みた。BOにおけるSi-QD膜の高品質指標としては、光感度を採用した。その結果、BOプロセスを7回繰り返すことで光感度が22.7から347.2に向上した。最適化された条件で太陽電池構造を作製したところ、開放電圧と曲線因子はそれぞれ689mVと0.67を得た。これらの特性値は同様のデバイスの中でも最高値であり、BOとHPTを組み合わせたことで吸収層の大幅な性能向上を達成できた結果と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究にて、シリコン量子ドット太陽電池の開放電圧と曲線因子はそれぞれ689mVと0.67に達した。これらの特性値は同様のデバイスの中でも最高値であり、BOとHPTを組み合わせたことで吸収層の大幅な性能向上を達成できた結果と考えられる。本研究成果はプラズマプロセスへのベイズ最適化の有用性を示すとともにシリコン量子ドット太陽電池のポテンシャルも示した点で学術的には意義がある。シリコン量子ドットを用いた太陽電池は環境光にチューニングが容易にできることから、IoT用電源として用いることができ、IoTセンサネットワーク構築のための電源としても有望である。
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