研究課題/領域番号 |
20K05087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
米崎 功記 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20377592)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 蛍光体 / 結晶構造解析 / フォトクロミズム / 光化学反応 / 酸化還元反応 / 珪酸塩 / 蛍光 / 希土類金属イオン / 電子スピン共鳴 / 無機 / 珪酸塩化合物 / 欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体や蛍光体など発光物質の多くは特定の色の光しか発することができず、任意の色で発光させるには、三原色それぞれの発光を示す物質の発光強度を独立に制御し、光を混ぜ合わせる必要がある。一方、蛍光フォトクロミック結晶と呼ばれる無機結晶は、特定の光で結晶を刺激すると発光色が変化する特殊で稀有な発光物質で、紫外放射線センサ、光制御、情報記録などに用いることが出来る。近年、研究代表者が発見した珪酸塩結晶において蛍光フォトクロミズムが確認されたが、変化の起源は未解明である。本研究では、より明瞭な発光色変化物質の開発を目指し、発光色変化の起源解明ならびに高効率蛍光フォトクロミズム発現新規結晶の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
露光量に応じて光学特性が変化するフォトクロミック物質は、調光材や光センサー、情報記録媒体などへの応用が期待される光機能性材料である。Eu3+含有Ba3MgSi2O8は励起時に橙色で発光する蛍光体だが、近年、特定の刺激光に曝すことで発光色が橙色から紫色に変化する(蛍光フォトクロミズムをしめす)ことが明らかとなった。本研究ではラマン分光法を用いた結晶構造解析、電子スピン共鳴分光法を用いた電子構造解析を通してBa3MgSi2O8:Eu3+蛍光体の発光色が光刺激により変化するメカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フォトクロミック物質は、露光による色制御、呈色の程度からの露光量見積もりを可能にする光機能性材料として実用化される光機能性材料であるが、同物質の呈色の程度は物質そのものの色だけでなく、形状や表面状態で異なるため、使用形態ごとに製造時の形態制御や、物性評価時の補正を要する。本研究で研究対象とした蛍光フォトクロミズムは、モニタの対象となる発光色(スペクトル形状)が物質の形態に依存せず、露光量に対応しており、定量評価に適した現象である。本研究では露光により大きな発光色変化をしめす蛍光体を開発するための結晶構造上の設計指針を調査したもので、実用上大きな意義のある成果である。
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