研究課題/領域番号 |
20K05115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 岐阜大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
入澤 寿平 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30737333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 炭素繊維 / 炭素繊維強化プラスチック / リサイクル / 強度復元 / エッチング / 表面処理 / 表面エッチング / 強度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から回収されるリサイクル炭素繊維(R-CF)を自動車用途の構造材料に再利用できる状態まで復元する表面処理技術を確立する.R-CFの回収法が種々提案される中で,性能低下が再利用する際の課題であった.そこで,樹脂残渣の浄化や表面傷の鈍化による強度復元効果が期待できる液相表面酸化(エッチング)処理技術の開発に取り組む.さらに,熱可塑性プラスチック母材CFRPへの再利用を想定した検討も行う.界面接着や繊維強度の観点からCFRPへのエッチング処理効果を検討し,処理条件と強度や界面接着力との相関の体系化や,性能復元メカニズムの解明に学術的観点から取り組む.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から回収されるリサイクル炭素繊維(rCF)の物性を復元するエッチング表面処理技術を確立することである.得られたエッチング処理rCFを熱可塑性プラスチック母材CFRP(CFRTP)への再利用を想定した検討を進めた. rCFの強度低下が熱分解処理時の表面損傷に起因し,さらに表面損傷をエッチングすることで強度が復元可能であることを明らかにした.強度復元したrCFの再利用を想定した検討を行い,繊維長が短くなる射出成形品等では強度復元効果が得られないが,繊維長が長くなる成形方法でCFRPを成形した場合,rCFの強度復元の効果が顕著であることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CFRPへの期待の高まりと同時に,世界的にリサイクル技術開発も活性化しており,リサイクル炭素繊維(rCF)の有効活用に関する検討が進められている.一方で,新品のCFから性能低下する点はCFRPに再利用する際の課題であった.この課題が克服できる有効手段が無かった中で,rCFの性能復元としてエッチング技術を着想した点は他の研究とは一線を画す.また,そのメカニズム解明まで行われた学術的貢献は大きい.実際に本研究によって技術は確立され,今後は実用化フェーズの研究に移行する計画であるが,炭素繊維,CFRP分野における国際競争力強化に弾みがつくだけでなく,資源循環の観点から社会的意義も大きい研究となった.
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