研究課題/領域番号 |
20K05125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 直幸 北海道大学, 工学研究院, 教授 (50443974)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 照射損傷 / 微細組織 / 低放射化 / 構造材料 / ハイエントロピ―合金 / 機械的特性 / ハイエントロピー合金 / 積層欠陥エネルギー / FCC金属材料 / 構成原子 |
研究開始時の研究の概要 |
原子炉および次世代型エネルギー炉の安全な稼働には、高エネルギー粒子照射環境に十分な耐性を持つ構造材料が必要不可欠であり、従来構造材料として高い信頼性を有する鋼を基礎に開発が行われてきた。本研究では、高エネルギー炉用構造材料のうち、FCC構造材料の照射損傷、特に積層欠陥型損傷組織に着目する。主要な損傷組織である積層欠陥四面体およびフランクループの形成・成長挙動は、材料の積層欠陥エネルギー(SFE)に強く依存している。本研究では、不純物原子の影響を極力低減したFCC型ハイエントロピー合金を作製し、照射実験及び変形組織構造解析を行ってSFEを定量的に評価することで積層欠陥形成・成長メカニズムを探る。
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研究成果の概要 |
照射下におけるFCC型構造材料中には、フランク型転位ループや積層欠陥四面体(SFT)といった積層欠陥型の照射欠陥が形成することで、材料の照射硬化や照射脆化を引き起こす。本研究では、MnおよびNiの濃度を変えたFeCrNiMn系FCC型HEAのSFEを実験的に算出した後、電子線照射実験によって耐照射性評価を試みた。各FeCrNiMn系HEAのSFEを実験的に求めた結果、SFEはNiおよびMn濃度の増加に伴って増大することが明らかになった。また、400℃におけるFeCrNiMn系HEAの照射損傷挙動を調査した結果、NiおよびMn濃度の増加に伴い、照射欠陥の形成が抑制された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存軽水炉構造材料の開発研究は、高信頼性と高安全性を有するオーステナイトステンレス鋼や低合金鋼などの鉄鋼材料を中心に行われてきたが、近年になって、特異な材料特性を有するハイエントロピー合金を原子炉構造材料へ応用するための基礎研究が活発化してきた。照射下におけるFCC型構造材料中には、フランク型転位ループや積層欠陥四面体といった積層欠陥型の照射欠陥が形成することで、材料の照射硬化や照射脆化を引き起こす。本研究では、MnおよびNiの濃度を変えることで積層欠陥エネルギーを制御し、耐照射特性を向上させることに成功した。これにより、次世代の新規炉構造材料開発の道筋の一つを提案することができた。
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