研究課題/領域番号 |
20K05149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
糸井 貴臣 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マグネシウム / インジウム / 面心立法構造 / 圧延 / 難燃性 / マグネシウム合金 / 加工性 / 組織制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、すべりによる等方的な変形が可能な面心立方構造を有するMg合金(Mg-In固溶体:Mg0.1In0.9)の利用に着想し、Mg合金の冷間加工性の根本的な改善を試みる。しかしInの密度は7.31 g/cm3と、合金化によりMg合金の軽量性が損なわれる。そこで、Mg-In合金について、Inよりも 密度の小さい第3元素の添加・置換によりMg0.1In0.9の生成範囲 (固溶限)を広げて低密度化を図る。さらに難燃性にも配慮した合金化を試み、室温での易加工性(圧延特性、2次加工性)、低密度および難燃性を兼ね備えたMg合金を創製し、圧延前後の組織観察により加工性と強化メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
面心立法構造を持つMg0.1In0.9 相を、Mg-Inおよび Mg-Al-In 合金で作製した。室温でのLCR(限界冷間圧延比)は、Mg0.1In0.9相の面積率の増加とともに増加し、両合金のLCRはMg0.1In0.9相単相で80%である。Mg0.1In0.9相はAlの約5mol%を溶解するため、Mg-In合金のInをAlに置換することは密度の低減に効果的である。Mg80Al7In13合金の密度(mol%)は2.60g/cm3でAlよりも低く、LCRは49%を示した。Mg-Al-In合金に僅かにCaやYを添加した場合、添加元素が燃焼中に合金表面に酸化物を形成するため優れた難燃性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
輸送機器の軽量化は直接的に燃費の向上につながるため、Mg合金は自動車や鉄道および航空機へ仕様が期待されている。しかし、Mgは六方晶構造であることから室温での加工性がAlなどの軽金属と比較して劣る。本研究ではこれまで試みられていない、面心立法構造のMg合金を作製し、密度の低下に配慮しながらIn添加によるFCC構造への変化を明らかにして室温での圧延特性を改善したところに意義がある。さらに少量のCaやYの添加により難燃性についても改善を試み、より広範の輸送機器への活用の可能性を試みたところを特徴とする。
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