研究課題/領域番号 |
20K05192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神田 英輝 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90371624)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 液化ジメチルエーテル / 超臨界二酸化炭素 / 抽出 / 溶媒 / DNA / 脱細胞化 / リポソーム / エントレーナー / 脂質 / 超臨界流体 / 亜臨界流体 / 助溶媒 / 天然物化学 |
研究開始時の研究の概要 |
超臨界CO2に液体の極性溶媒(エントレーナー)を混合して、超臨界CO2に不溶な極性物質を抽出可能にする手法は古くから広く研究されているが、エントレーナーが残留する、エントレーナーの種類によっては作業環境中の空気が汚染される、超臨界CO2へのエントレーナーの溶解度が低い場合は極性物質の抽出に限界があるといった問題がある。そこで、沸点が-24.8℃で残留の懸念が無く、毒性が無く、弱極性で、超臨界CO2に完全混合する液化ジメチルエーテル(DME)を世界で初めてエントレーナーとして用いることで、従来のエントレーナーが抱える問題を解決する。
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研究成果の概要 |
大豆脂質に対して、DME/SC-CO2混合系での中性脂質の抽出を試み、DMEによる抽出促進効果や操作圧力低減効果が確認された。この他、ウコンからのクルクミン抽出、微細藻類からの脂質抽出にもDME/SC-CO2混合系により改善効果が確認された。また液化DMEの抽出特性を応用する試みとして、液化DMEを媒体とするリン脂質からのリポソーム作製に成功し、現在はDME/SC-CO2混合系に展開している。またダチョウ頸動脈やブタ脳やブタ軟骨やブタ大動脈から液化DMEとDNaseを併用してDNAを抽出除去するスキャホールド作製にも成功し、当初の計画以上の成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表的なグリーン溶媒である超臨界二酸化炭素(SC-CO2)に液体の助溶媒(エントレーナー)を混合して、SC-CO2による抽出量を増大させる手法は古くから研究されているが、抽出物や残渣にエントレーナーが残留する、作業環境中の空気が汚染される問題がある。一方で近年グリーン溶媒として注目されている液化ジメチルエーテル(DME)は沸点が-24.8℃で残留の懸念が無く毒性が僅かで安価で微極性という多くの利点がある。このDMEの溶媒としての特性を明らかにするとともに、DMEをSC-CO2のエントレーナーとして用いる手法を開発すれば、従来のグリーン溶媒抽出の環境調和性や操作条件の改善が期待できる。
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