研究課題/領域番号 |
20K05213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
野田 賢 福岡大学, 工学部, 教授 (60293891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プラントアラームシステム / 有害アラーム / ドットマトリックス解析 / プラントアラーム / 連鎖アラーム / 配列アラインメント / バイオインフォマティクス / アラームシステム / 化学プラント / プラント運転データ |
研究開始時の研究の概要 |
プラント監視制御システムの高度化によって、単一のプラント異常から複数のアラームが連鎖的に発報する連鎖アラームなどの有害アラームが問題となっている。本研究では、プラントアラームシステムの適正化を目的に、プラント運転データからの有害アラーム抽出法を開発する。連鎖アラームの抽出問題をバイオインフォマティックス分野の配列アラインメント問題に帰着することで、DNAやタンパク質の配列アラインメントアルゴリズムを応用し、大規模なプラント運転データからの有害アラームを高速抽出する。本研究の成果は、プラントアラームシステムの適正化による、より安全なプラントオペレーション実現の有力な手段となることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、プラント運転データからの有害アラーム抽出法の開発を研究目的とする。当該年度は、前年度までに開発したドットマトリックス解析よりも高速に有害アラームを抽出することができる新しい有害アラーム抽出法の開発に取り組んだ。この方法では、有害アラームの抽出問題を数理計画問題として定式化し、スミス・ウォーターマンアルゴリズムにより有害アラームを抽出する。開発手法を、複数のマルファンクションを人為的に発生させた共沸蒸留プラントのシミュレーションデータに適用し有害アラームを抽出した。抽出した有害アラーム情報に基づきファーストアラーム以外のアラームの設定を削除し管理範囲を変更しプラントアラームシステムの適正化を試みた。適正化後のプラント運転データを再度分析した結果、有害アラームが削減できていることが確認できた。本研究が提案する手法は、有害アラームをプラント運転データからピンポイントで抽出できるため、直ちに有害アラームの削除やアラーム管理範囲の変更などの具体的な対策を検討することができる。このようにプラントアラームシステムの評価を、従来の量的評価から質的評価へ転換することが本研究の特徴である。当該年度に得られた成果を、プロセスシステム工学分野の重要な国際会議の一つである第14回プロセスシステム工学に関する国際シンポジウム(於京都大学)において口頭発表し、国内外の企業参加者から高い関心を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症により長期間実プラントへの入場が制限されたため、研究協力者が所属する化学企業の実プラントの運転データへの開発した手法の適用が遅れた。今年度は、制限が緩和される見通しであるため、実プラントの運転データからの有害アラームの抽出を試みる。得られた結果が妥当なものであるか、化学企業の現役オペレータに評価を依頼する。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者が所属する化学企業の実プラントの運転データに開発した手法を適用し、有害アラームの抽出を試みる。得られた結果が妥当なものであるか、化学企業の現役オペレータに評価を依頼する。
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