研究課題/領域番号 |
20K05229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 洋一郎 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 部局研究員 (50379153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タンパク質分泌発現 / 酵母 / 過剰発現ライブラリ / ピキアパストリス / Pichia pastoris / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、タンパク質分泌生産性が高い酵母Pichia pastorisを用いて、酵母の外来タンパク質分泌過程におけるボトルネックを全遺伝子探索により解明することを目的とする。独自に開発した遺伝子過剰発現ライブラリ作製方法を用いて、生産性が異なる複数の外来タンパク質分泌酵母株をライブラリ化し、スクリーニングにより高生産化に寄与する過剰発現遺伝子を探索し、比較するという系統だった総論的研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、独自に開発した過剰発現ライブラリを活用し、分泌生産性が異なる複数の外来タンパク質を用いて、それぞれの分泌生産に対して律速となっている因子をピキア酵母株より探索、比較することで、酵母の外来タンパク質分泌発現過程におけるボトルネックの解明を目指す。そのために、本年度では下記を行った。 1.過剰発現ライブラリの質の評価:次世代シーケンサーを用いて、過剰発現ライブラリを、DNA断片レベル、プラスミドレベル、酵母ゲノムレベルにて評価した。外注で作製した一本鎖DNA配列に挿入・欠損変異が多くみられたものの、どのレベルにおいても過剰発現ライブラリとして機能することが確認できた。 2.ピキア酵母株過剰発現ライブラリからのスクリーニング:人工的に設計されたscFv抗体の分泌発現株より、15個以上のscFv抗体分泌発現性が増加した株がスクリーニングにより得られた。それぞれの株の過剰発現した遺伝子を同定し、同遺伝子を過剰発現させたscFv分泌発現株を新たに作製した。そのscFv抗体生産性を評価した結果、10個以上の新規過剰発現型有用因子(過剰発現により外来タンパク質の分泌生産性を増加させるピキア酵母遺伝子)を得ることに成功した。この成功により、本過剰発現ライブラリが機能したことを実証できた。またピキア酵母にて難分泌生産性を示す外来タンパク質の生産株の過剰発現ライブラリを作製しスクリーニングを始めた。異なる外来タンパク質生産株においても、複数の過剰発現型有用因子が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本過剰発現ライブラリが、NGS解析においても、抗体生産性を指標としたスクリーニングにおいても機能することが確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
ピキア酵母にて難発現及び易発現を示す外来タンパク質の分泌発株において、過剰発現ライブラリからスクリーニングを行い、それぞれに対する過剰発現型有用因子の探索を行う。これらと、scFv抗体分泌発現ピキア酵母株で得られた有用因子と比較し、分泌発現に対するボトルネックを評価する。
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