研究課題/領域番号 |
20K05240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
山本 進二郎 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (40262307)
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研究分担者 |
宮坂 均 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (60451283)
林 修平 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (30389522)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 植物細胞培養 / 二相培養系 / パクリタキセル / 疎水性イオン液体 / 疎水性媒体 / 細胞培養 / タキサン類 / ポリテトラフルオロエチレン / ポリプロピレン / 二相系培養 / イオン液体 / 疎水性固体 / 二祖系培養 / ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
高価な抗がん剤パクリタキセル(Paclitaxel;PTX)の安価な生産法として植物細胞培養法が注目されているが、PTXの低生産性と生産物阻害が問題点であった。本研究では、疎水性のイオン液体や固体を利用する二相系の培養条件ならびに細胞活性を促進する物質やPTXなどの二次代謝産物の合成を促進するエリシターを検討して、PTXの生産量を向上させる条件を見出し、高効率にPTXを培養生産するプロセスの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
疎水性イオン液体を用いる二相系培養によりパクリタキセル(PTX)生合成が向上する知見を得ていたことから、イオン液体の添加量を増加する実験を行い、細胞増殖量とPTX生産量を増加させることに成功した。また、イオン液体を新鮮なものと交換する培養によってPTX生産性を高めることができ、PTX前駆体を含むタキサン類の生産性も向上できた。イオン液体に代わる媒体として疎水性固体を利用する二相系培養も行い、ポリテトラフルオロエチレンやポリプロピレンがパクリタキセルを効果的に吸着し、ポリプロピレンがPTX生産性を向上させることができた。疎水性媒体を利用する新たな培養プロセスを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、安全で高効率なパクリタキセルの培養生産プロセスの開発を目指した。疎水性媒体を利用する二相培養系を構築することによって、フィードバック阻害を持つパクリタキセルを疎水性媒体に移動させ、パクリタキセルを効果的に生産させることができた。さらに、疎水性イオン液体を適度な頻度で交換することによってパクリタキセルを飛躍的に培養生産でき、工業的生産の可能性も示唆された。疎水性媒体を利用する二相培養系のバイオプロセスの構築によって高価なパクリタキセルを安価に生産できる可能性も見出されたことから、本研究で得られた研究成果は社会的意義が大きいと考えられる。
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