研究課題/領域番号 |
20K05250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
亀田 直弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (20517297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖脂質 / 自己集合 / ナノシート / ナノチューブ / 光駆動 / タンパク質 / 酵素 / リフォールディング / ジアセチレン / 光重合 / 重合 / アゾベンゼン / 光構造異性化 / 包接 / 放出 / 脂質単分子膜 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質のリフォールディング促進機能と分離精製機能を兼ね備えた合成脂質の単分子膜構造からなるナノシートの開発に挑む。ナノシートに光刺激応答型の可逆的形態可変機能を付与する。①ナノシートのロールアップ化に伴う変性タンパク質の包接、②ロールアップナノシートに生じるナノチャンネルでの変性タンパク質の凝集抑制、及び単分子膜との化学的・物理的相互作用によるリフォールディング促進、③ロールアップナノシートの平面化に伴うリフォールディングしたタンパク質の放出、分離・回収システムを構築する。
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研究成果の概要 |
光刺激応答性官能基を組み込んだ合成糖脂質を水中で自己集合させることによりロールアップナノシート(=ナノチューブ)の構築に成功した。ナノチューブの空孔内に変性タンパク質を包接後、光照射によってナノチューブのロールアップ化を進行させると(ナノチューブの空孔を収縮させると)、タンパク質がバルク水中に放出されると同時に生理・酵素触媒活性を回復することを見出した。光によって駆動するロールアップナノシートが、タンパク質のリフォールディングを著しく促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体医薬や酵素センサー等の利用拡大に伴い、製造工程で生じる変性・凝集タンパク質を正常な立体構造へとリフォールディングさせる技術が求められている。一方、生体系では、分子シャペロンと呼ばれるタンパク質群が、その内部に備えたATPの加水分解反応に連動して構造変化する筒状のナノ空間を活かし、変性タンパク質の選択的包接、リフォールディングの補助、リフォールディングしたタンパク質の放出を司っている。本研究は、生体系を模倣した人工分子シャペロンを構築することで、リフォールディング効率に関わる因子の解明に貢献するだけでなく、タンパク質の製造コスト削減に波及効果をもたらすことが期待される。
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