研究課題/領域番号 |
20K05252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 株式会社コンポン研究所 |
研究代表者 |
早川 鉄一郎 株式会社コンポン研究所, 研究部, 研究員 (90557745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | クラスター / X線吸収分光 / 酸化セリウム / 銅/酸化セリウム / 酸化状態 / 酸化抑制 / 銅-酸化セリウム / クラスター担持 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「酸化セリウムクラスター上に担持された触媒金属は酸化が抑制され、触媒性能が向上する」という仮説を検証するとともに、孤立クラスターから得られる基礎的な知見を実用系に近い担持クラスターへ展開する筋道を得ることを目的とする。 触媒のモデル系として酸化セリウムと触媒金属(例えば銅)の複合化クラスターを取り上げ、孤立系(=真空中に孤立)および担持系(=アルミナ等の表面に担持)に対してX線吸収分光測定を実施して触媒金属の酸化状態とその変化を調べる。一連の実験で酸化セリウム助触媒のクラスター化に関する上記仮説を検証するとともに、孤立系と担持系の比較から表面担持の効果を調べ、実触媒設計の指針を探る。
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研究成果の概要 |
サイズ選別した銅/酸化セリウムクラスターに対するX線吸収分光測定を行い、クラスターに含まれる酸素原子数が増加しても銅の酸化が進行しない「酸化抑制」現象を発見・確認した。さらに類似した系との比較から、酸化抑制には酸化セリウムクラスターが重要な役割を担っていること、銅の原子数により酸化の振る舞いが変化することなどを見出した。こうした酸化状態の特異な振る舞いから、銅/酸化セリウムクラスターはバルクとは異なる特徴を持つ触媒となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、銅/酸化セリウムクラスターにおける銅の酸化抑制の発見・確認により、白金族などを用いない新しい触媒の可能性を示したことにある。このためにクラスター化した酸化セリウムとの複合化が重要なポイントであり、銅以外の元素との複合化により興味深い系が発見される可能性がある。一方で、こうした複合系に対しては元素選択的な測定法であるX線吸収分光の重要性を示したという点でも意義がある。すなわち本研究は、金属酸化物複合化クラスターという物質系の可能性、X線吸収分光法という測定法の可能性の2つを示したと言える。
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