研究課題/領域番号 |
20K05286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 沖縄科学技術大学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山下 真生 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任研究員(常勤) (10727639)
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研究分担者 |
安谷屋 秀仁 沖縄科学技術大学院大学, 量子波光学顕微鏡ユニット, 技術員 (00868721)
CHEUNG Martin 沖縄科学技術大学院大学, 量子波光学顕微鏡ユニット, 技術員 (90832163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | エレクトロスプレーイオン化 / 一分子イメージング / 低エネルギー電子顕微鏡法 / グラフェン / エレクトロスプレー / 電子顕微鏡試料作製 / 走査型電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は生物試料の一分子イメージング用に最適化した新規の試料作製法の開発に関するものである。この手法は理論上最も薄い炭素膜であるグラフェン上に、溶媒と完全に分離した試料分子を真空下で選択的に蒸着することを可能とする。これが実現すれば、試料分子以外のイメージノイズ源を観察試料から究極的に排除して、電子線と試料分子のインタラクションを最適化し、シャープなイメージの取得が可能となることが期待される。この手法により汎用型の走査型電子顕微鏡による分解能1 nmでの生物試料の一分子イメージングの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はグラフェン支持膜を利用した真空中での新規の電子顕微鏡試料作製法の確立を目的に研究を開始した。この研究における最重要課題はエレクトロスプレーイオン化法(以下ESI法)による生体高分子気相イオンの生成法を確立することであったが、この目的は新規のエレクトロスプレーエミッターを開発することで概ね達成できたと考えている。一方、本研究の最終的な目標である真空中での分子蒸着法の確立については、当初想定していなかった多数の技術的な課題の存在が研究初期に明らかとなり、結果研究期間中に十分な検討を実施することができなかった。本報告書では上記の理由から新規エミッターの技術開発の成果に絞って報告する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体高分子の高分解能一分子イメージングをSEMやTEMによる低エネルギー顕微鏡法やAFMのようなプローブ顕微鏡法によって達成するためには、目的分子と溶媒との効率的な分離を目的分子の分子構造を損なうことなく達成できることが重要である。ESI法はこの目的の達成において極めて重要な技術であるが、巨大タンパク質複合体やウイルスといった高塩濃度且つ高粘性の試料への適用はこれまで困難であった。本研究ではこの技術的課題を克服できる新規のESIエミッターキャピラリーのデザインを考案しその有効性を示した。この成果により、一分子イメージング用の試料作製法の選択肢としてのESI法の価値が大きく向上したと考えている。
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