研究課題/領域番号 |
20K05394
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
椋平 祐輔 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (60723799)
|
研究分担者 |
吉田 圭佑 東北大学, 理学研究科, 助教 (20743686)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 坑井検層 / 誘発地震 / ベイズ統計学 / 断層面解 / 群発地震 / 流体量 |
研究開始時の研究の概要 |
能動的地熱開発,シェールガス開発等の地下流体エネルギー開発分野では, 地下き裂面が資源流体の流路となる。これら地下き裂面の向き情報の抽出は,貯留層の評価や水理モデルの構築に極めて重要である決定的なパラメータである。き裂面の向きを求めることは,地震学的手法が微小地震の観測状況には適用できず,現状,困難である。本研究は,資源開発で従来計測される地殻応力・既存き裂情報を,微小地震の事前情報(prior)として微小 地震情報(posterior)と融合させることにより,不足している地震学的情報をベイズ統計学 的に補完し,き裂面の向き・空間分布を高精度に評価する方法を開発する。
|
研究成果の概要 |
(1) 微小地震を対象とした,坑井検層から得られる地球物理学情報(例えば地殻応力)を直接MTインバージョンに組み込み,ベイズ統計学的インバージョン法にて解を拘束する試みは,使用する微小地震データの質の問題もあり,必ずしも期待した成果が得られなかった。 (2)資源工学分野で,坑井検層から得られる地球物理学情報をもとに提案されてきた,地震活動と関与する流体の量を結びつける物理モデルを群発地震に適用し,その要因と考えられている流体量の特定を行った。 沈み込み帯の流体ダイナミクスを解明するための、これまでにない時間・空間解像度で流体を定量化する新たなアプローチを提案し、その有用性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1) 高品質の微小地震データと,地殻応力(絶対値・方向)が全て揃う例は,中々稀であり,今後の様々なフィールドからのデータの蓄積が待たれる。微小地震はマグニチュードが小さく,中々波形の振幅情報を完全に使いづらいが,本研究で目指した方向性は,以前有効であると思われる。 (2) 2011年3月に山形-福島県境で発生した群発地震について、群発地震発生前に地殻内に蓄積されていた流体量を推定した結果,流体量を具体的に定量化できた。この様な,浅部近くに流体として貯留されていた水の,定量的な推定は世界で初めての試みである。さらにこの推定量を基にM9クラスの地震,鉱脈生成とのリンクなど新たな議論が展開できた。
|