研究課題/領域番号 |
20K05480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
幅田 揚一 東邦大学, 理学部, 教授 (40218524)
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研究分担者 |
池田 茉莉 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40711403)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | サイクレン / 銀食い分子 / 銀イオン / キラル / CDスペクトル / スポンジ分子 / 食虫植物型分子 / シッフ塩基 / 環化反応 / 反応速度 / スチリルメチル基 / ニトリル / アームドサイクレン / コンホメーション変化 / 機能性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで申請者らはAg(I)の添加で誘起される側鎖のダイナミックなコンホメーション変化によって様々な機能を発現するテトラアームドサイクレン(銀食い分子:Argentivorous molecules = argentum + vorous =silver + eating)を開発してきた. 本研究ではこれまでの銀食い分子の研究で培った知見をもとに,さらに発展形の超分子としてAg(I)以外の金属イオンを用いることによって同様のコンホメーション変化を示すような「ハエトリソウ型分子」の化学を展開する.
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研究成果の概要 |
銀イオンと錯体を形成することで側鎖の構造がダイナミックに変化し、様々な機能を持つ超分子系を開発した。銀イオンを捕捉する部位や側鎖にキラル中心を導入すると、銀イオンと錯体を形成することでキラリティが増大し、また、キラル中心を持つゲスト分子と錯体を形成することで、ゲストのキラリティが側鎖に転写・増幅され、絶対配置を決定できることを見出した。蛍光を示すアントラセンを側鎖として導入すると、銀錯体形成によって蛍光強度が増大する一方、ピレンを導入した化合物では、銀錯体形成によって蛍光強度が減少することが明らかになった。側鎖に三重結合を持つ分子では、アセトニトリルのみと有機包接結晶を形成することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銀イオンと錯体形成することで側鎖の構造がダイナミックに変化することを利用した超分子の開発は、分子認識やキラリティ制御、蛍光センシングなどの分野で応用が期待される。特に、キラル中心を持つゲストと錯体を形成することでゲストのキラリティが側鎖に転写・増幅されることは、絶対配置決定法の改良や精度向上に役立つ可能性がある。また、側鎖に導入する発色団を変えることで蛍光強度が制御される系は、生体内での蛍光イメージングやセンシングにも応用できる可能性がある。さらに、側鎖に三重結合を持つ分子がアセトニトリルのみと有機包接結晶を形成することは、分子の分離・精製に対する新しい方法の開発につながることが期待される.
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