研究課題/領域番号 |
20K05487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 一秋 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80251669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ペプチド触媒 / 面不斉化合物 / グアニジン触媒 / 不斉触媒反応 / 構造機能相関 / 機械学習 / 不斉触媒 / 定量的構造活性相関 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素は生体内で化学反応を高効率かつ高選択的に進める優れた触媒だが,生体内反応に特化しているため,そのまま薬など有用な化学品の合成に適用することはできない。酵素にせまる優れた人工触媒の開発のための一つのアプローチとして,酵素同様にアミノ酸からなるペプチドの利用が考えられ,我々は,これまでにペプチドが触媒として機能することを示してきた。しかし,未だに,どのアミノ酸を用いてどんな配列のペプチドを作ればよい触媒となるかについての指針はない。本研究は,これまでに開発したペプチド触媒を機械学習で解析することによって,ペプチド触媒の設計指針を打ち立てようとするものである。
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研究成果の概要 |
当初計画した,ペプチド触媒のアミノ酸配列とその触媒反応結果との間に何らかの相関を見出すということに関しては,明確な結論を出すことはできなかった。 その一方で,非共有結合的に基質を活性化するN末端グアニジル化強塩基ペプチド不斉触媒を新たに見出し,これを用いたβ-ジカルボニル化合物のニトロオレフィンへの高エナンチオ選択的1,4-付加反応に成功した。さらに,基質を2-ニトロビニル基を有する面不斉[2.2]パラシクロファンにしたところ,高効率で速度論的光学分割が進行することも見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グアニジンにキラルな置換基を結合させた強塩基性不斉触媒はこれまでに報告例があるものの,決まってグアニジンが2本以上の結合を介して不斉源とつながった形をしていた。今回我々が見出したペプチド触媒は,グアニジンが1本の結合のみで不斉源とつながった構造をもち,このことによってかさ高い基質の反応を触媒できることが示された。また,面不斉化合物の速度論的光学分割では,一般の低分子触媒ではほとんどキラリティーの認識ができないことが判明し,この点でもペプチド触媒という新しいタイプの有機触媒の有用性を示すことができた。
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