研究課題/領域番号 |
20K05492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
岡本 和紘 北海道大学, 理学研究院, 特任講師 (30552658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | platinum / chirality / circular dichroism / キラリティー / 複核錯体 / 白金 / 有機金属錯体 / 円二色性 / 白金錯体 / 近赤外発光 / 二核錯体 / 遷移金属触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属触媒による不斉合成は多方面に応用可能な重要な基礎科学技術であり,様々な非対称炭素骨格を持つ不斉配位子が現在までに設計・合成されてきたが,構造が規定された不斉配位子を逐一合成する必要があること,構築された配位子に骨格変化の柔軟性がないことは不斉制御における課題である.本研究ではπ電子系のねじれに基づくジエンまたはジイミンを基礎とするキラル環境を有する二核錯体を設計し,複核錯体の構造性キラリティーに基づく不斉制御を目指す.二核協働による不斉制御は触媒・光学材料どちらの分野においても未開拓領域である.
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研究成果の概要 |
本研究ではイミン部位を支持配位子に有するねじれ型ビピリジンが配位した二核白金錯体が白金-白金間の相互作用に起因した光学特性を示し, MLCT(metal to ligand charge transfer)遷移に由来する特徴的な吸収帯が単核錯体と比較して長波長シフトすることを見出した.また,アセチリド基を有する二核白金錯体は近赤外領域に発光を示し,キラル分取した錯体はCPL(円偏向発光)特性を示した.また,ビピリジンの3,3’-位をキラルなリンカーを介して連結することで,ビピリジン二面間の軸性キラリティーおよび二面角が制御できることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光発光(CPL)材料の開発は光学異方性を持つ先端材料,例えば3Dディスプレイなどへの応用も可能な重要課題であり,その基礎的知見は有機材料において数多く発表されているが,発光効率などの面でまだまだ改善の余地が多い分野である.特に有機化合物と金属元素の性質を併せ持つ有機金属錯体はd電子がかかわるキラリティー制御と新たなCPL発現機構により,これまでにない全く新しい基礎学理に基づく材料創出へと進展する可能性もあることから,本研究成果はその端緒として大きな社会的意義を有するものと言える.
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