研究課題/領域番号 |
20K05498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
西脇 永敏 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (30237763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 置換基間反発 / キノリン環 / ナフタレン / 非対称化 / 芳香族性 / 環歪み / Halo-Jacobsen転位 / キノリニウム / ピリジン / 芳香環活性化 / 共平面性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、単純な置換基の立体反発のみによって芳香環を活性化できることを明らかにし、非電子的な活性化が可能であることを証明する。すなわち、1位と8位にアルキル基を導入したキノリニウムイオンをモデル基質に用い、単結晶X線解析による構造評価も行ないながら、環歪みと反応性の相関を理論的および実験的というアプローチから明らかにする。また、ピリジン環のように反応性が低く修飾が困難な骨格に本手法を応用し、脱着可能な置換基を用いた汎用性の高い手法を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
置換基間反発を利用することにより、芳香族化合物の非電子的な活性化を検討した。8位にアルキル基が置換した1-メチルキノリニウム塩を合成し、8位のアルキル基を嵩高くするに従ってどの程度骨格が歪むかを、理論的および実験的アプローチにより検証するとともに、それに伴って反応性が高くなることも明らかにした。 さらに同程度の嵩高さを有するハロゲン原子が置換したナフタレンについても同様の検討を行ない、ハロゲン間の反発により骨格が歪むとともにハロゲンダンスやホモカップリングなどの反応が進行することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芳香族化合物は材料科学など多くの分野で幅広く用いられているが、その骨格修飾法は意外と少なく、いくつかの反応様式に分類されている。本研究では置換基間反発により、芳香環の活性化を達成しており、新たな方法論を提供したという点でその意義は大きい。置換基が嵩高くなるにつれて、骨格の歪みが大きくなり、それに伴って反応性が向上することを系統的な検討により明らかにした。こうして得られた知見は当該分野の研究者にとって有用な情報になる。また、対称なナフタレン骨格を簡便な操作で非対称化することができ、従来法では入手が困難であった骨格が容易に得られることから合成化学的な有用性も高い。
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