研究課題/領域番号 |
20K05510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
吉見 泰治 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (30345673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 太陽光 / 光レドックス触媒 / ミリチューブ / 光脱炭酸反応 / レドックス有機光触媒 / 可視光 / 光脱ボロン化反応 / 青色LED / レドックス光有機触媒 / 有機光反応 / ミリチューブリアクター |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光をエネルギー源として用いる革新的な化学プロセス開発のため、 ミリチューブリアクターの利用とそれに必要な新規レドックス有機光触媒の創出、さらに、それらを用いて安価かつ豊富に存在する天然由来の原料から価値の高い有機分子を合成するための新規有機反応の開発を行う。ミリチューブリアクターとは、ミリ単位の内径を有する有機溶媒耐性のポリマー(主にFEP製)で製作された安価なチューブである。ここで利用するレドックス有機光触媒は1種類だけでなく、本研究で得られた紫外光や可視光どちらも高効率で働く光触媒数種類を使用して、太陽光の光を無駄なく使用できる反応系を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究の中心の研究課題であった可視光で働く新規なレドックス有機光触媒の開発に成功した。申請者の特徴的な反応系である2分子光レドックス触媒系において、電子ドナー分子としてジベンゾ[g.p]クリセンを、電子アクセプター分子として、9-シアノ-10-メトキシカルボニルアントラセンを用いて、青色LEDにより405 nmの可視光照射することで、光脱炭酸反応や光脱ボロン化反応が進行することを明らかにした。また、これらの新規なレドックス光触媒を用いて、通常の条件下では困難な安息香酸やグルタミン酸・アスパラギン酸側鎖の光脱炭酸反応にも成功し、ユニークな生成物を合成することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境調和型有機反応になる太陽光を利用した有機合成反応の基礎的な知見を得ることができた。一般に用いられている1分子光レドックス触媒であるIr触媒や福住触媒を用いても進行できない反応を、申請者が見出した触媒を利用することで進行させることに成功した。これらに関連したオリジナルペーパーを4報報告し、さらに論文を提出中である。これらの知見は環境調和型有機反応の開発を後押しし、化学系におけるSDGsへの貢献を高めるものだと考えられる。
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