研究課題/領域番号 |
20K05516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
植田 光洋 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 講師 (60566298)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 可視光触媒 / フラーレン誘導体 / フラーレンラジカルアニオン / 2段階励起 / 近赤外光酸化還元触媒 / ラジカル反応 / 電子移動反応 / 近赤外光駆動型酸化還元触媒 / 可視光駆動型酸化還元触媒 / フラーレン / 光触媒 / 高効率・低エネルギー消費 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、我々人類は低エネルギー消費社会への変革を求められているが、化学工業における物質生産においては、依然として熱エネルギーを大量に消費する生産工程が主流となっており、利用エネルギーのパラダイムシフトが求められている。太陽光発電システムは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムであるが、そのシステムの一つである有機薄膜太陽電池発電システムでは、有機物である電子供与体と電子受容体(C60)間での電子移動により、電気エネルギーが作り出されている。本申請研究では、本発電システムにおける電子移動過程を応用し、C60誘導体を光電子輸送型触媒として利用する新しい反応システムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
テトラフェニルボレート塩からビフェニルが形成される酸化的カップリング反応の可視光駆動型酸化還元触媒としてフラーレンが機能することを見出した。また、本反応においてより触媒活性の高い(より少ない触媒量で十分な収率が得られる)新規フラーレン誘導体の開発にも成功した。これらの結果に関しては、現在、論文として投稿準備中である。さらに、より低エネルギー消費型光触媒としてフラーレン誘導体を利用する事を目的とし、近赤外光照射下で光触媒として機能するフラーレン誘導体の開発を行なった。その結果、近赤外光照射下においても光触媒として機能するフラーレン誘導体を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フラーレン誘導体は、1)200度付近の高温条件でも安定、2)メタノールへの溶解性の低さを利用することで反応混合液から他の有機化合物とフラーレン誘導体を容易分離可能、3)人体にほとんど害を及ぼさないという特徴を有し、ものづくり分野における触媒としての活用が期待されているが、有機化学反応の触媒として利用された例はほとんどない。以上のことから、本研究における「フラーレン誘導体を電子輸送担体光触媒として利用する高効率・低エネルギー消費型反応システムの開発」によって得られた成果は、現在の医薬・農薬およびファインケミカル分野における、高エネルギー消費型物質合成に革新をもたらす研究として位置づけられる。
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