研究課題/領域番号 |
20K05632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田口 健 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (60346046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高分子 / ポリプロピレンコポリマー / 超薄膜 / 結晶成長 / 結晶多形 / 融解・再組織化 / 放射光 / 電子顕微鏡 / 高分子結晶成長 / ポリプロピレン / コポリマー / 時分割X線散乱測定 / X線マイクロビーム / 高分子結晶化 / 放射光時分割X線散乱測定 / 光散乱 / 融解 / 放射光時分割X線回折測定 / 熱測定 / 共重合体 / 結晶化 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリプロピレンは安価で最も軽量・高融点(160℃)の結晶性プラスチックであり、自動車部品、家電等、身のまわりの幅広い用途に利用されている。このポリプロピレンの一種のプロピレン・コポリマー内部は、複数の結晶構造(結晶多形)が混在した複雑な構造をしており、γ晶と言われる特異な結晶多形を多く形成する特徴がある。このγ晶の形成過程はプロピレン・コポリマーの性能を左右する重要な要素だが、その形成メカニズムは未解明の問題として残されている。本研究は、このプロピレン・コポリマー中の多彩な構造形成メカニズムを実験的に明らかし、製造プロセスへの応用に資することをも目指す基礎研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、現代社会に不可欠な素材であるポリプロピレンコポリマー中において、異なる結晶多形を含む微細な結晶が作り出す多彩な構造とその形成メカニズムを明らかにすることを目的とした。 超薄膜を用いた顕微鏡観察や放射光設備におけるX線回折実験から、コポリマー中では結晶構造の異なる2つの微細な針状結晶がお互いに結晶学的な関係を保って成長しながら素材中の構造を作り上げていくことを明らかにした。結晶化温度や保持時間によって2種類の結晶の比率や作り出される構造が大きく変化することや、昇温時の再組織化と融解挙動の結晶構造による違いが詳細に解明され、持続可能な素材開発の展開に繋がる基礎的な知見を得ることができた
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、フィルム等の汎用素材であるポリプロピレンコポリマーの多彩な結晶構造とその高次構造形成機構を微視的に明らかした。 超薄膜からの結晶成長顕微鏡観察から、コポリマー中で2種類の針状結晶が結晶学的な関係を保ちながら成長するという素過程の観察に成功した。またバルク素材中の構造形成過程をその素過程によって詳細に説明できるようになったことが本研究の学術的な意義を有する結果と言える。フィルム特性に影響を与える高次構形成機構と加熱時の構造変化や融解挙動も詳細に解明したことによって、今後の持続可能な汎用素材開発にとって重要な基礎的知見を得た点で社会的な意義を有していると言える。
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