研究課題/領域番号 |
20K05633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2022) 九州大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
谷口 育雄 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (30314305)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 圧力可塑性高分子 / 相転移 / ブロック共重合体 / 生分解性高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
加圧により固体(相分離)状態から流動(相溶)状態へ相転移するバロプラスチック・ブロック共重合体の加圧流動メカニズムを解明する。Compressible Regular Solution modelを用いて、加圧流動が期待されるブロック共重合体を探索し、種々化学合成する。次にそれらの圧力応答性を実測し、理論的かつ実験的に圧力誘起相転移を支配する熱力学的パラメータを決定する。また、ブロック共重合体の構造と流動性の相関についてはこれまで全く検討されていない。そこで、圧力誘起相転移による加圧流動の定量的評価を通して、この高分子材料の実用化の目処付を行う。
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研究成果の概要 |
高分子ブロックの組み合わせによって、加圧下で低温成形性を示す生分解性ブロック共重合体が知られている。その低温成形メカニズムは、加圧で秩序(固体)状態から無秩序(溶融)状態へ相転移するためである。本研究では、化学構造と圧力誘起相転移の相関について検討を行った。このような圧力誘起相転移を示す高分子ペアの予測にはCompressible Regular Solution modelが用いられるが、同じ組成式を持つ高分子の場合では、相転移温度や圧力が変化する。それらを決定する因子として、自由体積や比密度が重要であり、これらの因子を検討することによってこの相転移挙動の理解が深まることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見は、低温成形可能な生分解性プラスチックの創成に資するものである。このような高分子材料はこれまでに無く、低温成形可能であるため、成形加工時のエネルギー消費を低減することができる。つまり、CO2排出削減に繋がる。また、通常の溶融成形と比較して、成形時の高分子鎖の熱分解を著しく抑制できるため、リサイクル性が向上する。あるいは、化石資源の保護に繋がる。 本研究では、種々の低温成形可能な生分解性ブロック共重合体を合成し、その低温成形性や力学物性がチューニングできることを示した。そして、今までに無い環境低負荷高分子材料として今後の応用が期待されている。
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