研究課題/領域番号 |
20K05667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
中戸 晃之 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10237315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 粘土 / コロイド / アニオン色素 / 吸収スペクトル / 発光スペクトル / キサンテン / アゾベンゼン / 吸着 / キサンテン色素 / ローズベンガル / ゾルゲル転移 / 色素 / 発光 / 粘土鉱物 / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
アニオン性表面をもつ粘土粒子とアニオン性色素とからなる、粘土―色素ハイブリッド発光材料を開発する。粘土と静電反発する色素との組み合わせに対し、ゲル状態の粘土コロイドへアニオン性発光色素を包埋させることで、新たな発光材料を開発する。赤、緑、青の発光色素と粘土とのハイブリッド化によって、RGBの発光を示す材料を得る。粘土のアニオン表面によってアニオン性分子の機能を制御する先例のない試みを行い、粘土―機能分子ハイブリッドの可能性を大きく拡張する。加えて、粘土ゲルが機能分子の固定化媒体となり得ることを示す。
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研究成果の概要 |
負電荷を帯びた粘土粒子のコロイド中で、アニオン性色素が水溶液中とは異なる分光学的性質や光化学反応を示すことを明らかにした。粘土コロイド中でのアニオン性キサンテン色素の吸収スペクトルと発光スペクトルおよび発光強度が、粘土濃度に依存して変化した。色素種、粘土鉱物種による違いも見いだした。その原因として、ともに負電荷をもつ色素分子と粘土粒子との間に、何らかの引力的相互作用が働いていることが示唆された。また、粘土コロイド中でのアニオン性アゾベンゼンの光異性化の反応速度が、水溶液中とは異なることも見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、粘土コロイドが多様なアニオン性色素のさまざまな光過程に、普遍的に影響を及ぼすことを実験的に明らかにした。これまでの粘土-色素相互作用の研究では、粘土はアニオン性色素の物性に影響を与えないことが暗黙の了解であったが、本研究はこれを覆したものである。粘土-色素相互作用、あるいはより一般化して粘土-有機相互作用の描像を変革し、粘土-色素相互作用にもとづく新素材開発の戦略を根底から変え得る学術的意義を有する。
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