研究課題/領域番号 |
20K05705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
水野 稔久 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90345950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ペプチド界面活性剤 / 細胞膜透過キャリア / ペプチドジェミニ界面活性剤 / 上皮細胞増殖因子受容体 / p53蛋白質 / リポペプチド / 蛋白質デリバリー |
研究開始時の研究の概要 |
外来蛋白質を細胞質まで送達可能な技術開発が、精力的に取り組まれている。しかし「(1)分子量の大きな外来蛋白質、蛋白質会合体を、効率よく細胞質内に導入できる技術」、更にそれを「(2)特定の組織や細胞に選択的に導入できる技術」については、依然として検討が必要な段階にある。本研究では、複数のアルキル鎖を含むカチオン性ペプチドを精密に分子設計することによって、上記(1)、(2)の課題解決が可能な蛋白質キャリア分子が創出可能か検証を行いたい。
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研究成果の概要 |
1分子内に2本のアルキル鎖を側鎖に含むリポペプチドPG-surfactantをベースとした、外来蛋白質に対する細胞膜透過キャリア(cpPG)開発と機能評価を行った。まず高分子量の外来蛋白質に対するcpPGの送達能評価は、ガン抑制蛋白質p53(MW ~ 46 kDa)を用いて評価し、効率良い送達が可能とわかった。また細胞種選択的な送達能の付与には、上皮成長因子受容体(EGFR)への結合活性を持つGE11ペプチドをcpPGに複合化することで行い、TGF-βシグナルに対する阻害ペプチドを、EGFR高発現細胞であるA431細胞への優先的な送達能が付与可能となることも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たなクラスのバイオ医薬品として、細胞内分子に直接作用可能な蛋白質の利用が考えられているが、これらは自発的には細胞内に浸透しないため、効率の良い細胞膜透過キャリア開発が、この課題解決のためのキーイシューとなっている。本研究ではアルキル鎖を側鎖に複数含む新たなクラスの細胞膜透過キャリアの開発を行い、その有効性を示すことに成功した。実際の利用のためには、より高い細胞種選択性や組織深部までの送達を可能とする技術開発もさらに必要とされるが、新たなクラスのリポペプチドが細胞膜透過キャリアとして有効性であることを明らかにできたことは、この分野の発展への貢献が十分に期待できる。
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