研究課題/領域番号 |
20K05708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小崎 紳一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40280581)
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研究分担者 |
樋口 恒彦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (50173159)
木股 洋子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60255429)
永野 真吾 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60286440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ヘム / メチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
病原性細菌の生存に必須な鉄源は感染宿主の赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)である。一般的に、グラム陰性細菌は、溶血後、Hbから遊離したヘムをヘモフォアによって外膜受容体まで輸送する。次に、外膜・内膜を通り抜けたヘムは、好気性細菌では細胞質で酸素依存的に開環分解され、鉄が抽出される。一方、嫌気性細菌は、酸素に依存することなくヘムを分解しなければならないが、その仕組みは未だ十分に解明されていない。そこで、本研究では、嫌気的ヘム分解経路を解明し、その知見から阻害剤をデザイン・合成して、腸など嫌気的環境で感染症を引き起こす病原性細菌の生育抑制に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
通性嫌気性細菌で歯周病の原因菌でもあるEikenella corrodensが嫌気下で生育する際に、生存に必須の鉄源として菌体内に取り込んだヘムを如何に開環分解して鉄を抽出しているかについて検証した。そして、E. corrodensでは鉄-硫黄クラスターを持つHmuWと呼ばれる酵素がS-adenosylmethionine (SAM) 依存的にヘムを分解すること、また、この反応にはNADPH などの電子供与体が必要であることなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
E. corrodensのHmuWによる嫌気的なヘムの開環分解は、①ヘムのmeso炭素原子へのSAM由来メチル基の付加 ②ヘムのαピロール炭素原子上でのラジカル生成 が引金になる。これは、E. corrodensが好気下でヘムオキシゲナーゼ (HO) が ①ヘムのmeso炭素原子への酸素分子由来の酸素原子の付加 ②ヘムのαピロール炭素原子上でのラジカル生成 を経てヘムを開環分解するのと類似しておりポルフィリンの開環反応における普遍的な経路が示唆された。中間体であるラジカルをトラップする化合物は本酵素の阻害剤として、また、E. corrodensの生育抑制剤として機能することが期待できる。
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