研究課題/領域番号 |
20K05718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺田 佳世 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (00547911)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミトコンドリア移行ペプチド / α-アミノイソブタン酸 / 両親媒性 / α-ヘリックス / ミトコンドリア移行性ペプチド / 細胞膜透過性ペプチド / らせん構造 / 植物オルガネラターゲティング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、植物を反応場とした物質生産システムに関心が寄せられている。植物内物質生産の効率化には、主たるエネルギー産生の場であるミトコンドリアへの有用遺伝子の導入が必要となるが、植物ミトコンドリアに対する高効率な遺伝子導入法はない。本研究では、動物細胞に対する安全性、汎用性が高い遺伝子導入法であるペプチド法を植物細胞に適用すべく、植物細胞に対して高効率な膜透過性とミトコンドリア移行性を併せ持つペプチドの創製を目指す。植物細胞に有効な膜透過性を示すα-アミノイソブタン酸含有らせんペプチドのアミノ酸置換を行い、膜透過性、ミトコンドリア移行性に対するらせん構造の寄与について明らかにする。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリア移行シグナルのコンセンサス配列をもとに、疎水性アミノ酸としてロイシンやアラニン、あるいはα-アミノイソブタン酸(Aib)、塩基性アミノ酸としてアルギニンを含むペプチドを設計した。Aibを導入したペプチドはミトコンドリアに選択的に集積し、ミトコンドリア移行におけるペプチドへのAib導入の有効性が明らかとなった。またセリンやヒスチジン、アルギニンの化学酵素重合を行い、上述のペプチドを合成する際の基礎的な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能なものづくりに向けて、植物を反応場とした物質生産システムに強い関心が寄せられている。植物内での物質生産の効率化には、細胞のエネルギー生産を担うミトコンドリアへ有用な遺伝子を導入する必要があり、本研究で得られたミトコンドリア移行ペプチドの設計指針と合成手法は、低炭素社会の実現や二酸化炭素の資源化など環境分野への貢献が期待されるものである。また、酵素を利用したポリペプチド合成は水中で反応が進行し、モノマーの保護・脱保護反応も必要ないことから、環境低負荷な合成法と言える。大量合成への展開も可能で、持続可能なものづくりを支える重要な基盤技術としての展開が期待される。
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