研究課題/領域番号 |
20K05723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
二瓶 賢一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10307209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | チロシナーゼ / 阻害剤 / フロレチングルコシド / レゾルシノールアルキルグルコシド / リベシンB / 構造訂正 / ソンネルフェノリックC / レドックス反応 / ポリフェノールオキシダーゼ / モノフェノール / ジフェノール / 配糖体 / 生理活性ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
リンゴを切って放置すると,切り口が茶色に変色します.この現象は,リンゴに含まれる酵素のポリフェノールオキシダーゼ(PPO)が,リンゴのフェノール類を酸化することで起こります.PPOとフェノール類は,生体内にも存在します.したがって,このような酸化反応は,生体内でも起きている可能性があります.アミノ酸の一種であるチロシンは,生体内に存在するフェノール類の一つです.チロシンが含まれているペプチドは,血圧などを調節する働きをあります.本研究では特に,それらのペプチドがPPOによって酸化されてできた分子の働きを調べ,そして,生体内に本当にあるのかを検証し,新しい機能性分子を見つけ出すことを目指します.
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研究成果の概要 |
ヤナギ科植物から得られたフロレチン配糖体の構造訂正とそのチロシナーゼ阻害活性の評価,ムクロジ科植物から単離されたポリフェノール配糖体をリード化合物に用いたチロシナーゼ阻害剤の開発および,スグリ科植物中の対称性の高いポリフェノールの化学合成と構造訂正を達成した.また,ミソハギ科植物などより得られたフェノール配糖体を化学合成し,チロシナーゼとビタミンCを用いたレドックス反応により,それがジフェノール配糖体へと変換できることを確認した.さらに,そのジフェノール配糖体が強い抗酸化性を持つ天然物として,植物抽出物中に存在していることを突き止めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チロシナーゼの働きにより,モノフェノールはジフェノールを経由して,キノンへと酸化される.その過程に還元剤を添加することで,レドックス反応が進行し,ジフェノールが蓄積する.本研究では,このチロシナーゼと還元剤によるレドックス反応をモノフェノールからジフェノールへの変換に利用し,新しい機能性分子を開発することを目的とした.当初目的の生理活性ペプチドのレドックス反応においては,酸化生成物の構造を決定することはできなかった.しかしながら,天然フェノール類のレドックス反応を達成し,その生成物が天然物であることを突き止めた.以上の成果は,新たな生理活性天然物の研究に応用できるものと期待される.
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