研究課題/領域番号 |
20K05754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
須原 義智 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30297171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ビタミンK / メナキノン / 神経分化誘導 / 幹細胞 / ニューロン / 神経変性疾患 / 再生医療 / 脳疾患 / 神経幹細胞 / 誘導体 / 神経分化 / アルツハイマー病 / 脳神経変性疾患 / 脳神経細胞 / 代謝型グルタミン酸受容体 / 低分子化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幹細胞から神経細胞(ニューロン)への分化を強力に誘導する低分子の「神経分化誘導物質」を創出することを目標としている。従来の再生医療で行われている遺伝子導入による分化の方法は、がん化などの問題があり実現できていない。申請者らはこれまでに、ニューロンへの分化を誘導する化合物として「ビタミンK」を見出し、誘導体化によって活性を向上させることに成功してきた。そこで、医薬シーズになり得る強力な活性化合物を創製するため、神経分化に関係する標的タンパク質に強く作用する分子を新たに設計・合成してスクリーニングを行い、病態モデル動物に有効な安全性の高い神経分化誘導物質の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は幹細胞の神経細胞(ニューロン)への分化を強力に誘導する低分子の「神経分化誘導物質」を創出することを目標としている。我々はリード化合物としてビタミンKを見出し、その側鎖末端部分に脂溶性の官能基を結合させた化合物が、天然より強い分化誘導作用をもつことを明らかにしてきた。その知見を基にして、医薬シーズになり得る強力な活性化合物を得るために、新たなビタミンK誘導体を設計・合成してin vitro試験でスクリーニングを行った。その結果、天然のビタミンKの中で最も強い分化誘導作用を示すMK-3と比較して、約2倍の活性を示す化合物を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、遺伝子導入を必要とせず、化合物による神経再生が可能であることにある。これにより、現在のiPS細胞による神経再生研究の課題とされている遺伝子導入によるがん化などの副作用を回避することができ、治療法の開発に向けた可能性が高まる。また、現在までに発見されている神経再生化合物はわずかであり、本研究で発見された化合物は脳神経の修復・再生に応用できる可能性がある。更に、超高齢化社会を迎える我が国において、脳疾患患者の治療法開発に貢献することが、社会的意義も大きいと言える。本研究成果は、神経再生の新たなアプローチを提供し、脳疾患の治療法の開発に大きな貢献をすることが期待される。
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