研究課題/領域番号 |
20K05779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
七谷 圭 東北大学, 農学研究科, 助教 (00547333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トランスポーター / クライオ電子顕微鏡 / 有機酸生産 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物を用いた有機酸生産においては、微生物の菌体内で生合成された有機酸を菌体外に排出するトランスポーターが重要な役割を果たしている。トランスポーターの機能が十分でない場合、生合成産物は菌体内に蓄積し負のフィードバック反応により、生合成反応を阻害するためである。そこで、本研究では、有機酸排出トランスポーターの機能強化に向け、分子構造と輸送メカニズムの解析を実施する。本研究の成果は、バイオプラスチックの原料等に用いられる有機酸の効率的な生産を実現し、化石資源の消費抑制と二酸化炭素排出抑制につながる。
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研究実績の概要 |
炭素リサイクル社会の実現に向けて、様々な製品のバイオマス由来への置き換えが進められている。なかでもプラスチックは、柔軟性と耐久性を兼ねそろえていることから、現在社会とは切り離せない優れた素材である。そのため、原油由来のプラスチック原料をバイオマス由来の原料に置き換えることで、優れた性質を維持し、炭素リサイクルを実現する方法が模索されている。有機酸は、プラスチックの原料となることから、微生物を用いたバイオマス由来の有機酸生産技術の開発が進められている。微生物の宿主改良には、主に細胞内代謝系の改変が用いられている。しかしながら、極性が高く細胞膜を透過しない有機酸は、生合成された後、細胞内に蓄積し、生産と律速となる。そこで、本研究では、微生物の細胞外への有機酸排出機能を強化するため、有機酸排出輸送体の構造と機能メカニズムを明らかにし、有機酸排出機能を強化することを目的とした。はじめに、精製タンパク質を用いてクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析を実施した。野生型輸送体に加え、熱安定性変異体を精製し、グリットを作成後、他大学所有の200kVもしくは300kVのクライオ電子顕微鏡を用いて観察した。観察データを単粒子解析用ソフトRelionやCryoSPARCを用いて解析し、分子構造の解析を進めている。また、精製タンパク質を用いて、輸送体の安定条件を検討し、さらにドメインの機能に関する生化学的な解析を進めた。新たな因子によるタンパク質の安定化を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クライオ電子顕微鏡は、他大学の施設を利用させてもらいデータを取得する予定であったが、本年度は新型コロナウイルスの影響により、他地域への出張が制限されてしまったため、予定通りにデータを取得することができずに進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、2020年度は新型コロナウイルスの影響によりデータの取得に遅れが出たが、2020年度に東北大学内にクライオ電子顕微鏡が設置されたため、次年度は当該クライオ電子顕微鏡を用いて研究を進める予定である。
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