研究課題/領域番号 |
20K05782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
舘川 宏之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60251576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生体膜 / 出芽酵母 / 胞子形成 / リン脂質 / 脂質輸送 / 脱リン酸化酵素 / 細胞分化 / メンブレンコンタクトサイト / 細胞骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内における新規膜構造形成のモデルとして、出芽酵母の前胞子膜形成の分子機構の解明を目指す。この過程に必要な1型脱リン酸化酵素( PP1) 複合体と脂質輸送タンパク質Vps13を含む複合体 (SSV複合体)の役割について解析を行う。PP1複合体の小胞輸送や細胞骨格制御に関わるターゲットを明らかにし、分子機構に迫る。またSSV複合体がメンブレンコンタクトサイト形成・脂質組成制御・大量の脂質輸送を介して前胞子膜を伸長させる機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞内新規膜構造形成過程である前胞子膜形成の分子機構の解明を目指し、PP1複合体とSSV複合体の働きを調べた。PP1複合体については、脱リン酸化のターゲットの候補を明らかにしている。SSV複合体については、前胞子膜と小胞体の間のコンタクトサイトを形成して、tetherタンパク質やOshタンパク質と共に働く可能性を示した。また、Spo71がVps13のリクルートに加えて前胞子膜上のPI4Pの制御あるいはVps13のPI4Pレベルの高い膜上での機能性に関与することを示した。これらの研究を通して、PP1複合体とSSV複合体が互いに独立に関与する前胞子膜伸長の分子機構の理解に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、微生物の環境応答・細胞分化の過程への理解が深まったのにとどまらず、生物に普遍的な新規膜形成制御の分子機構に迫ることができた。細胞内新規膜構造の形成は、高等動物の精子の頭部の形成や、繊毛の形成の初期の過程、そして植物の細胞板の形成など広く真核生物で見られる生命現象であり、その理解にも今後つながると考える。さらに、この過程で働く因子の一つであるVps13のヒトホモログはさまざまな神経変性疾患の原因として知られており、本研究は疾患の分子機構の解明へとつながるものでもある。
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