研究課題/領域番号 |
20K05783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有岡 学 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20242159)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 核 / オートファジー / 液胞 / 麹菌 / ヒストンH2B-EGFP / プロテアーゼ / オートファゴソーム / 液胞プロテアーゼ / Ypt7 / Atg15 / Atg8-interacting motif / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まずヌクレオファジーに関わる受容体の探索を行い、得られた候補についてその機能解析を行うとともに、併行してヒストン以外の核成分の分解の確認、ヌクレオファジーが特異的に誘導される条件の探索、多核である他の糸状菌でのヌクレオファジーの観察等を行う。また、オートファゴソームの分解に関わる出芽酵母ATG15の麹菌オルソログであるAoatg15の破壊株を用いて液胞内に蓄積した核の形態や性状を解析する。
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研究成果の概要 |
TAP-AoAtg8結合タンパク質のスクリーニングからヌクレオファジーにおける受容体の候補となる6タンパク質を選別した。うち1つをコードする遺伝子の破壊株で飢餓時におけるヒストンH2B-EGFPの分解が抑制されたことから、これをNprA (Nucleophagy receptor A) と命名した。またオートファジーによる核分解の様子を可視化するためAoypt7破壊株およびAoatg15破壊株の蛍光顕微鏡及び電子顕微鏡による観察を行った。さらに液胞プロテアーゼであるPepEおよびAoPrb1の解析から麹菌ではオートファジーにおける液胞プロテアーゼの役割が出芽酵母と異なることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核全体が分解されるヌクレオファジーとしてはテトラヒメナ大核の分解、イネいもち病菌の付着器内の核の分解が知られている。また、植物病原菌Fusarium oxysporumでは菌糸融合の際に一方の菌糸からもう一方の菌糸に核が侵入するが、その際侵入を受けた細胞の核が分解される。後2者は糸状菌であるが、いずれも単核の生物であり、またそこに関わる受容体は未同定である。多核の細胞におけるヌクレオファジーの機構は未解明であり、また特定の機能を持った特殊な細胞ではなく、通常の栄養細胞においてヌクレオファジーが起こるという点で本研究の成果は非常にユニークであると考えられる。
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