研究課題/領域番号 |
20K05785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
野崎 功一 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10313834)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Cip1 / Trichoderma reesei / LPMO / Cellulose degradation / Cellulase / セルロース分解 / Trichoderma reuse / セルラーゼ / バイオマス利用 |
研究開始時の研究の概要 |
セルラーゼ生産菌Trichoderma reeseiが生産するCip1 (Cellulose induced protein 1)は,セルラーゼとともに発現する機能未知のタンパク質である。これまで,申請者は市販セルラーゼ製剤にCip1を加えることで,セルロースの分解が促進される現象を発見した。Cip1は単独でセルロースを分解することはなく,またCip1の前処理によってもセルロースの酵素分解は増加しない。つまり,Cip1とセルロース分解酵素が共存するときにだけその効果が現れる新規な現象を発見した。本研究では,その作用メカニズムの解析を行う。
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研究成果の概要 |
セルロースの酵素分解を促進する新規タンパク質Cip1(Cellulose induced protein 1)の機能解明を行った。Cip1は本菌が生産するLPMO9Aの活性を1.6倍に促進した。これにより,セルラーゼなどの加水分解酵素が作用しやすくなり,セルロース分解を促進していることが推定された。Cip1タンパク質表面のクレフト内に存在する3つのアミノ酸残基が反応促進に必須であり,CBM1の存在により活性促進効果は増加することを明らかにした。Cip1遺伝子破壊株のセルロース分解活性は,親株に比較して12%低下した。しかし,Cip1を添加することで分解活性は回復し,親株を上回るまでに増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,セルロース分解酵素の活性を促進する新規なタンパク質Cip1の機能を明らかにすることができた。Cip1がLPMO9Aの分解能力が促進することで,セルラーゼなどの加水分解酵素の反応が相乗的に促進されていることを明らかにした。市販セルラーゼ製剤においてもCip1を添加することで,その分解力を向上できる可能性が期待された。
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