研究課題/領域番号 |
20K05790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
赤沼 元気 学習院大学, 理学部, 助教 (30580063)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リボソーム / Ribosome / Saccharomyces cerevisiae / Genome stability / リボソームタンパク質 / サプレッサー / 染色体異数化 / DNA損傷ストレス耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は自然環境中に存在する様々なDNA損傷ストレスに対抗するため、DNA損傷ストレス耐性能を獲得してきた。これまでの研究から、自然環境に近い低レベルかつ慢性的なストレスと、急性的な損傷ストレスに対する細胞の適応戦略は異なることが示されてきた。また、リボソームの翻訳活性制御がストレス耐性に関与することも分ってきた。そこで本研究では、出芽酵母のリボソームタンパク質や翻訳制御因子に着目したプロテオーム解析と遺伝的スクリーニング法を用いて、低レベルかつ慢性的な紫外線ストレスの耐性に関与する因子を探索し、DNA損傷ストレス耐性における役割を解明する。
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研究成果の概要 |
DNA損傷ストレスが出芽酵母のリボソームに与える影響を調査した結果、DNA損傷ストレスはリボソームの翻訳活性を低下させること、DNAストレス条件下では、パラログタンパク質と入れ替わるリボソームタンパク質が存在する可能性が示された。また、リボソームタンパク質欠損株はパラログタンパク質がコードされている染色体の異数化によって増殖速度が回復すること、それによってDNA損傷ストレス耐性が低下することが分かった。さらに、リボソームタンパク質の欠損により染色体分配異常が生じやすくなり、結果としてサプレッサー変異株の出現頻度が向上することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、DNA損傷ストレスがリボソームの活性や複合体の構成に影響を与えることが明らかになった。この成果はこれまであまり注目されていなかったリボソームとゲノム安定性との関係を示すものであり、新たな研究分野に発展する可能性を秘めている。また、リボソームタンパク質の欠損が染色体分配異常を引き起こすとともに、パラログ遺伝子の重複により細胞内翻訳活性を補完するという新たな発見は、染色体恒常性維持にリボソームが重要な役割を果たすことを示すとともに、異数化による遺伝子機能相補の一般性を示唆するものである。
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