研究課題/領域番号 |
20K05796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
江口 陽子 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30757422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | カンピロバクター / ストレス耐性 / 二成分情報伝達系 / 酸ストレス / 塩ストレス / 乾燥ストレス / 酸化ストレス / RacS/RacR / 酸 / 浸透圧 / 乾燥 / 酸耐性 / 二成分制御系 |
研究開始時の研究の概要 |
カンピロバクター食中毒は世界中で多発しており、大きな社会問題となっている。本菌は、酸素や乾燥などの環境ストレスに対する耐性度は低いと認識されている。ところが、ヒトへの感染が少数の菌で成立することから、胃の強酸性条件を生きたまま通過するはずであり、強い酸耐性能をもつことが予想される。本研究は、「カンピロバクターがどのようにして胃の酸ストレスに耐えうるか」の解明を目的とする。そのため、酸耐性試験条件の見直し、多数の株間での酸耐性能の比較、実験室進化などから、高度に酸耐性化あるいは感受性化した株を取得する。これらの株を解析することで酸耐性機構を明らかにしてカンピロバクターの感染予防への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
食中毒原因菌であるカンピロバクター菌の酸耐性機構の解明を目指して実施した研究である。カンピロバクタ―菌は環境中のストレスに弱いと認識されているにも関わらず、多くの食中毒事件を引き起こしているため、未解明のストレス耐性機構が予測されている。ストレス応答に関連する二成分情報伝達系の全遺伝子の欠損株コレクションを構築し、塩、酸、乾燥ストレスに対する各欠損株の感受性を測定した。その結果、RacS/RacR など複数の系がストレス抵抗性に関与することを見出した。新たに見出したストレス抵抗性系に対して、今後転写解析などの手法でストレス抵抗性機構を解明する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食中毒原因菌であるカンピロバクター菌は、酸化ストレス、酸ストレス、乾燥ストレスなどの環境ストレスには弱いと認識されているが、世界中で食中毒を引き起こし、大きな社会問題となっている。本研究ではカンピロバクター菌の環境ストレスに対する抵抗性に関して、本菌の二成分情報伝達系(TCS)との関連を検討した。その結果、複数の TCS が酸ストレスおよ乾燥ストレスに関与していた。特にRacS/RacR 系は酸、乾燥、酸化ストレスに関わり、ストレス抵抗性に強く関わるTCSであることを見出した。ストレス抵抗性機構を解明し、カンピロバクター食中毒の予防法の開発につなげていきたい。
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