研究課題/領域番号 |
20K05802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日高 將文 東北大学, 農学研究科, 助教 (00584848)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | タンパク質工学 / 転写因子 / タンパク質発現・精製 / 微生物 / X線構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物は生育環境中の栄養源、ストレス源などの濃度変化を感知し、増殖や生存のため遺伝子・タンパク質の発現量を増減させる。発現制御の分子メカニズムは、いわばブラックボックスとなっているものが多く、微生物の応用を妨げる一因ともなっている。このブラックボックスの解明には、タンパク質分子レベルの研究が不可欠である。本研究は、これまでの微生物学を含む農学研究であまり用いられることがなかった放射光の測定技術を積極的に導入し、分子レベルの微生物の発現制御メカニズム解明にアプローチする。
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研究成果の概要 |
微生物酵素の発現制御の分子メカニズムは、いわばブラックボックスとなっているものが多く、微生物の応用を妨げる一因ともなっている。本研究は、麹菌の転写因子、FlbCを研究ターゲットとして機能解析、構造解析を目指し、まず大腸菌による発現系の構築した。大腸菌1リットル培養当たり12ミリグラムのタンパク質獲得に成功した。結晶化を試みたところ、結晶が得られたが、解析に供するには不十分な質であることが分かった。 一方、精製FlbCが得られたことから、in vitroの解析も進めることが可能となった。ゲルシフト電気泳動解析により、FlbCは特定DNA配列に結合する機能を有していることを確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物のタンパク質発現を司る転写因子について、特に麹菌においては、これまでにタンパク質発現系、精製系の構築に成功した例がなく、本研究で初めて機能を有した形で大量の転写因子タンパク質の獲得に成功した。学術的には、タンパク質の大量発現系構築に成功したことは、今後の転写因子研究に大きく寄与する。また、産業的な成果として期待されることは、タンパク質発現システムを、科学的なエビデンスに基づいてデザインすることで、より効率的なタンパク質生産システムを構築するための基盤研究へと発展することである。
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