研究課題/領域番号 |
20K05814
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
水澤 直樹 法政大学, 生命科学部, 教授 (80342856)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | シアノバクテリア / 光合成 / 光化学系 / 鉄欠乏 / 鉄欠乏ストレス / 電子伝達系 / 鉄 / 光化学系II / 光化学系Ⅰ |
研究開始時の研究の概要 |
鉄は光合成生物の増殖に必須な微量元素である。光合成装置の電子伝達担体の一部には鉄が含まれるため、鉄欠乏条件下では光合成が阻害される。鉄欠乏下ではIdiA、IsiAと呼ばれる誘導タンパク質が合成され、光合成装置である光化学系Ⅱと光化学系Ⅰに結合しそれらの機能を調節すると提案されているが、その調節の仕組みはまだよくわかっていない。本研究ではシアノバクテリアを用いてidiAまたはisiA遺伝子の欠損株を作製し、これら遺伝子の欠損が光合成特性に与える影響を解析することで、鉄欠乏条件下でのIdiAとIsiAの役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
光合成生物にとって、鉄はフェレドキシンやシトクロムなど光合成電子伝達担体のコファクターに含まれる重要な微量元素である。本研究では、鉄欠乏ストレスが光合成に与える影響を明らかにすることを目的とした。シアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120の細胞を鉄欠乏条件で培養したところ、増殖が一過的に遅延するがその後回復すること、通常培地での培養ではみられない、クロロフィルのQy帯ピークの位置がシフトしたタンパク質複合体が生成していることが示唆された。このタンパク質複合体を解析するために、同一細胞培養液から光化学系Ⅱ(PSⅡ)標品と光化学系Ⅰ(PSⅠ)標品を同時に精製するシステムを開発した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄欠乏ストレスは光合成生物が最も受けやすい環境ストレスの1つで、その主要ターゲットは光合成である。これまでの先行研究では、光合成反応過程のうち主にPSIへの影響が解析されてきた。本研究では、同じ細胞培養液から高活性なPSⅡ標品とPSⅠ標品を同時精製するシステムを開発することができた。光合成ではPSⅡとPSⅠが連動した電子伝達系が動いている。両光化学系の解析が可能になったことで、鉄欠乏環境適応過程でおこる光合成系の変化を包括的にとらえることができるようになったという点で学術的意義が大きい。また、鉄欠乏環境への適応機構を解明することは、鉄欠乏耐性作物の開発にもつながり、社会的意義も大きい。
|