研究課題/領域番号 |
20K05845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
鈴木 司 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (20714588)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | AMPK / DDB1 / ユビキチン化修飾 / ユビキチン化 / DNA修復 / CRL4 |
研究開始時の研究の概要 |
E3ユビキチンリガーゼのCRL4は、構成因子のDDB1が基質認識サブユニットであるDCAFsと結合することで基質のユビキチン化を行う。そのため、DDB1とDCAFsとの相互作用は重要であるが、その制御機構については不明な点が多い。 本研究は、予備実験によりAMPKの新規基質としてDDB1を見出し、AMPKによってDCAFsのひとつであり、DNA修復に重要なDDB2とDDB1との結合が低下する結果が得られた。本研究を推進することで栄養状態を感知しエネルギー代謝を制御するAMPKが、DDB1を介してCRL4によるユビキチン化修飾をも制御する、AMPKの新しい制御経路の発展につながることが期待できる。
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研究成果の概要 |
AMPKは同化作用を抑制し異化作用を活性化することで、細胞内のエネルギー恒常性を調節するキナーゼである。本研究では、CUL4 E3ユビキチンリガーゼ複合体の構成因子であるDDB1をAMPKの新規基質として同定し、AMPKはDDB1のセリン残基を直接リン酸化することを明らかにした。また、このリン酸化修飾により、DDB1とその結合因子であるDDB2との相互作用を抑制することが示された。また、AMPKによるDDB1のリン酸化はDDB1を核から細胞質へと局在を変化させることも明らかとなった。以上のことから、AMPKはDDB1のリン酸化を介してCUL4 E3ユビキチンリガーゼを制御することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AMPKが関与するDDB1の新たな翻訳後修飾を明らかにしたことで、DDB1を構成因子とするCUL4 E3ユビキチンリガーゼの活性制御をより詳細なレベルで理解することができる。また、DDB1を含むCUL4ユビキチンリガーゼは核内および細胞質の両方にて基質のユビキチン化をおこなうが、本研究により、AMPKがDDB1をリン酸化することでCUL4の局在を細胞質へと変化させることがわかり、CUL4が核・細胞質にと多くある基質に対する選択性がAMPKによって制御されることが示された。また、DDB1は紫外線によるDNAダメージを修復する機能もある。したがって、これらの知見がDNA修復に対する一助になる。
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