研究課題/領域番号 |
20K05863
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
|
研究機関 | 岩手大学 (2021-2022) 名古屋大学 (2020) |
研究代表者 |
中崎 敦夫 岩手大学, 理工学部, 教授 (00366428)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 19-ノルブファリン / EDLF / MSスペクトル / 理論計算予測 / 強心ステロイド / 化学合成 / ジアステレオマー / 2-ピロン / 理論計算 / 合成 / 合成化学 / 内因性ジギタリス様物質 / 構造解明 |
研究開始時の研究の概要 |
内因性ジギタリス様物質(EDLF)は、ヒトを含むほ乳類から発見された強心ステロイド群であり、極微量しか得られないため、MS、UV、生物活性を元に構造が推定されているだけで、その構造が決定されたものはほとんどない。本研究では、これらEDLFの構造を、理論計算と合成化学を駆使し解明しようとするものである。具体的には、EDLFの一つで、白内障患者の水晶体から単離された19-ノルブファリン(以下、19-NB)の構造解明を目指す。理論計算と合成化学による今回の手法は、無数にあるとされる他のEDLFの構造解明にも展開でき、これによって、様々な疾患の予防や治療に直結する臨床医学的な重要性をもっている。
|
研究成果の概要 |
本研究では、様々な疾患の予防や治療という臨床医学的観点から重要な分子である内因性ジギタリス様物質(EDLF)の候補化合物である19-ノルブファリン(19-NB)の完全な構造解明を最終目的として、1)19-NBのA環に関する立体異性体の合成法を確立し、17位に置換している2-ピロンの構築法を新たに開発した。また、2) 開発したこれらの方法を活用して、酸化型テルペノイドの合成法を確立した。現在、MSスペクトル予測の精度の向上について検討しており、条件が整い次第、実測データとの比較を検討し、単離文献の値と比較して、提唱構造の妥当性とともにどの立体異性体が有望かを検証する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EDLFの構造解明は、正確な構造が得られることによって、i) 生合成酵素の探索、ii) EDLFをバイオマーカーとする検出技術の開発、iii) 発症メカニズムの解明等が大きく進展し、疾患予防や治療に直結すると期待される。また本研究は、未だ実現していないMS分野の究極的な課題である「MSフラグメントパターンからの構造導出」の技術基盤の確立につながる重要性を有する。本提案が実現できれば、医療・創薬・農業・食品分野などの各分野で代謝物の網羅的解析(メタボロミクス)によって多数発見されている新規化合物の構造推定が円滑に行えるだけでなく、未知の生物機能の解明にも繋がる発展的な研究展開が期待できる。
|