研究課題/領域番号 |
20K05867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
松島 芳隆 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (20282816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トリクロロアセトイミダート / 側鎖アミノ酸 / アミノアルコール / 分子内環化 / 窒素官能基の導入 / Cytoxazone / 分子内共役付加反応 / Amicoumacin / 窒素官能基の導入法 / タキソールの側鎖アミノ酸 / bis-イミダート / タキソール / 窒素官能基 / 生物活性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はトリクロロアセトイミダートを基盤とした新規反応開発とその応用を目指すものである。① トリクロロアセトイミダートの「分子内共役付加反応」を複雑な天然物合成へ応用する。具体的には、植物の成長阻害物質や抗生物質などの有用物質を効率的に合成し、農・医薬の創成に貢献する。② bis-トリクロロアセトイミダートの分子内環化反応を精査し、窒素官能基を有する医薬品の合成に応用する。③ その他の反応についても検討する。なお、これらトリクロロアセトイミダートを用いる窒素官能基の導入法の開発は、爆発性が問題となる「アジド」フリー合成の観点からも期待されるものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、トリクロロアセトイミダートを用いた種々の反応を検討することを通じて、生物活性物質などの有用物質生産に応用する研究である。1,2-ジオールから誘導したbis-トリクロロアセトイミダート(bis-イミダート)の分子内環化反応についての検討に引き続き、トリクロロアセトイミダートの分子内共役付加反応についても検討し、除草活性を有するBacilosarcin Aを代表とするAmicoumacin類の側鎖アミノ酸の合成研究を行った。安価に入手可能なD-グルコースから調製可能な化合物を光学活性出発原料として選択し、それから得られるトリクロロアセトイミダートに対し分子内共役付加反応を検討した。その結果、高い選択性で窒素官能基の導入に成功し、その後のAmicoumacin類の側鎖アミノ酸への変換も達成した。本研究実績に関しては、学術論文として発表することができた(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2023, 87, 131-137.)。また、Cytoxazoneの合成についても研究を計画した。すなわち、Sharplessの不斉ジオール化によって得られるジオールを光学活性出発原料とし、環状サルファイト構造を有するトリクロロアセトイミダートを調製した。トリクロロアセトイミダートを求核剤とし、環状サルファイトを脱離基としてその分子内SN2反応を検討した。その結果、短工程でCytoxazoneの合成を達成、その成果を農芸化学会などで発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トリクロロアセトイミダートの分子内共役付加反応について、安価に入手可能なD-グルコースから調製可能な化合物を光学活性出発原料として選択し、それから得られるイミダートに対し検討した。これによって除草活性を有するBacilosarcin Aを代表とするAmicoumacin類の側鎖アミノ酸の合成を達成し、学術論文として発表した(Y. Matsushima, Y. Ogawa, K. Nishi, and K. Nakata, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2023, 87, 131-137. https:/doi.org/10.1093/bbb/zbac182)。このほか、当初の計画に示さなかったトリクロロアセトイミダートの分子内SN2反応についても検討した結果、Cytoxazoneの合成に成功し、学会発表することができた。これらを鑑みると、概ね当初の合成計画に従った研究が進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
トリクロロアセトイミダートの分子内SN2反応について検討し、Cytoxazoneの合成について研究計画し、一定の結果を得ている。これらの研究に関して、スケールアップや収率向上などを目的とした追加実験を実施し、最終的に論文投稿をする計画である。この他、bis-イミダートの分子内環化反応について、芳香環上の置換基(ニトロ基)の影響に関する研究についても追加で研究を行いたい。
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